全国高校野球選手権富山大会は決勝が行われ、未来富山が高岡商業に13-7で勝利し、創部8年目で春夏通じて初の甲子園出場を決めた。プロ注目の最速145キロ左腕で4番のエース・江藤蓮投手(3年)が、準決勝から中1日での先発にもかかわらず155球で完投。さらに6回には高校通算9号となるソロ本塁打を放つなど、投打にわたる大活躍でチームを聖地へと導いた。
155球の熱投&9号ソロ「しんどかったが、要所でギアを上げられた」
「去年の夏、準決勝で負けてから絶対に甲子園に行くんだと頑張ってきたのでうれしい」。試合後、両腕を高々と突き上げた江藤蓮投手は、喜びを爆発させた。準決勝で134球を投げて完投してから中1日。この日も155球を投げ抜く熱投で、疲労により本来の球とはかけ離れたもので9回7失点だったが、打線が18安打13得点と強力に援護、自らも6回にライト中間へ高校通算9号となるソロ本塁打を放ち、投打でチームを牽引した。「しんどかったが、要所でギアを上げられました」と、エースの責任を果たし、胸を張った。
昨夏、今春とあと一歩で敗れてきた悔しさをバネに、チームは攻撃力アップを課題に取り組んできた。角鴻太郎監督が「どうやって点を取るかだけを考えてやってきた。その成果が出た」と語るように、今夏は6試合で63得点という圧倒的な攻撃力で富山の頂点に立った。
DeNAスカウトも高評価「ボールの質がいい」
世代屈指の左腕には、プロのスカウトも熱い視線を送っている。この日、ネット裏には中日、DeNA、楽天など7球団のスカウトが視察。横浜DeNAが高く評価した。
横浜DeNA・八馬幹典スカウティンググループリーダー:「ボールの質がいい。馬力もある」
今年はサウスポーが注目されたものの、高蔵寺の芹澤大地投手、津田学園の桑山晄太朗投手、京都国際の西村一毅投手などが大学や社会人に進むことを早々と明らかにしている。その中で、強くて質の良いストレートを投げる江藤蓮投手は、今年のドラフト会議で高校生左腕投手として筆頭格となっており、連日のように各球団のスカウトが視察、首脳クラスのチェックも行われている。
U-18合宿で得た自信と「甲子園で会おう」の約束
江藤投手の成長のきっかけは、今年4月に参加した侍ジャパン高校日本代表候補の強化合宿だった。「全国のいいバッターを抑えて自信もついた」と語るように、トップレベルの選手たちとの交流が大きな刺激となった。合宿で一緒だった横浜高校の為永選手や京都国際の西村一毅投手とは「甲子園で会おうな」と約束を交わした。その約束を、まずは自らの手で果たした。
全校生徒24人中23人が野球部員という異色の通信制高校で、野球に打ち込むために故郷の長野を離れた。「甲子園では148キロを」と、自己最速145キロの更新も誓う。注目の左腕が、創部8年目のチームを甲子園に導き、そしてプロ野球選手の誕生へ。秋のドラフト会議では3位前後での指名と予想する。
江藤蓮投手 プロフィール
- 氏名:江藤 蓮(えとう れん)
- 生年月日:2007年5月19日
- 出身地:長野県須坂市
- 経歴:須坂マイナー(小2) – 豊野アップルズ(小4) – 千曲ボーイズ(中学) – 未来富山高校(3年)
- 投打:左投左打
- 身長・体重:180cm・87kg
- ポジション:投手
- 主な特徴や実績:最速145キロを誇るプロ注目左腕。2025年夏の富山大会決勝で155球を投げ7失点完投、打っても高校通算9号ソロを放ち、チームを創部初の甲子園出場に導く。DeNAなど7球団のスカウトが視察し、高い評価を受ける。高校日本代表候補。




コメント
江藤はよい投手。DOCKでボールの質を向上でき、ハイレベルな先発陣の中でプレーをすることができるDeNAに入団するのが良いと思う。スタミナは一級品かつストレートが今永級なので起用法も問われる。やはり最初は中継ぎか。