広島カープは8月24日に、マツダスタジアム内の球団事務所で今年3度目となるスカウト会議を開き、今秋のドラフト会議で指名候補となる高校生を25人に絞り込んだ。その中でも、健大高崎(群馬)の最速158キロ右腕・石垣元気投手(3年)を最上位として高く評価していることが明らかになった。
田村スカウト部長が絶賛「大学・社会人を含めても上位」
スカウト会議では、高校生の指名候補25人に絞り込み、「上位候補かどうかは関係なく、各地区から推薦されて志望届をおそらく提出するであろう選手を確認しました」と20人を映像で確認、ランク付けを行った。
田村恵スカウト部長は、上位候補を「3人」とした上で、石垣元気投手について「誰が見ても当然、最上位ですよ」と断言。「大学・社会人を含めても、上位になってくるんじゃないかというものを持っている。高校生であれだけの球を投げられるのはすごいことだと思います。」と、現時点での能力と絶賛した。
夏の甲子園では初戦の京都国際に敗れ、石垣投手は2イニングの登板に終わったものの、1年生からの成長曲線と、さらなる伸びしろを高く評価。「1年生から順調に3年生夏まで成長して、なおかつもっともっと伸びしろがあるんじゃないかという投手」と、将来性にも太鼓判を押した。
広島は昨年のこの時期のスカウト会議で、投手18人、野手9人の27人を指名候補としており、人数的には昨年とほぼ変わらない。投手では報徳学園の今朝丸裕喜投手、野手では花咲徳栄の石塚裕惺選手をリストアップしていたが、ドラフト会議では高校生を指名せず、5位で千葉学芸の菊地ハルン投手を、そして育成では育成1位・小船翼投手(知徳高)、竹下海斗投手(敦賀気比)の3人を指名して獲得している。
3人は誰?
上位候補として挙げたという3人について考えてみると、まず地元・英数学館高の147キロ右腕・藤本勇太投手について、カープは何度かスカウトのコメントが出ており、
白武佳久統括部長:「いい投げ方をしている。フィールディングを見てもセンスを感じる。夏まで追いかけていい投手だと思います」
などと評価をしている。また、横浜の奥村頼人投手や西条の左腕・宇佐美球児投手も注目をしており、宇佐美投手については、
白武佳久スカウト統括部長:「高校生の中では、いいレベルにいると思う。結果を残せば、見る目も変わってくる。今後の成長を見守りたい」
とコメントをしている。大学生も含めて全体的に左腕投手の視察が多いようで、特に打撃も評価される奥村選手は上位候補に入っている可能性があるのではないかと思う。
また、右腕では大阪桐蔭の森陽樹投手を視察した情報があり、石垣投手に次ぐ所で評価しているのではないかと思う。他に投手では、視察やコメントの情報は今のところはないものの延岡学園の藤川敦也投手、大阪桐蔭の中野大虎投手、神村学園の早瀬朔投手、未来富山・江藤蓮投手などが上位候補に入ってくる可能性がある。
野手については、捕手であれば侍ジャパンU18代表入りした学法石川の大栄利哉選手、内野手ならば高校通算49本塁打の強打の三塁手・櫻井ユウヤ選手なども候補として挙げられていそうだが、上位指名評価に入ってくるかはわからない。
いずれにしても現時点で、1位指名をする可能性がある高校生は石垣元気投手のみとなりそうで、これから社会人、大学生の候補を絞り込み、最終的に1位指名を決定していく。
佐々木麟太郎については「次の会議で」
一方、今秋ドラフトで指名が注目される米・スタンフォード大学の佐々木麟太郎内野手については、今回の会議では議題に上がらなかった。田村部長は、「あくまで今日は高校生。そういう話自体はしていることはしているんですけど、今日の会議ではなかったです。次回は大学、社会人の会議をやりますので、そこではっきりするかなという感じです」と説明。9月下旬に予定されている次回の会議で、球団としての方針を話し合う見通しだ。
石垣元気投手 プロフィール
- 氏名:石垣 元気(いしがき げんき)
- 所属:健康福祉大学高崎高校(3年)
- ポジション:投手
- 投打:右投両打
- 主な特徴や実績:最速158キロを誇る今秋ドラフト1位候補右腕。2025年夏の甲子園2回戦で甲子園最速タイの155キロを2度マーク。広島がドラフト「最上位」候補として高評価。昨春のセンバツ優勝投手。







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