福岡六大学野球の秋季リーグが6日に開幕する。5季連続優勝をしている九州産業大学は、今春に怪我で離脱したプロ注目の阿部謙心選手が復帰し、走攻守三拍子揃った逸材が、大学ラストシーズンでプロ入りへの猛アピールを誓う。
春は無念の離脱、秋に懸ける思い
プロ入りを目指す上で勝負の年となるはずだったが、阿部謙心選手は右太ももの肉離れで春季リーグ戦では戦線を離脱した。チームが優勝を果たし大学野球選手権に出場したが、自身は選手権で代打出場のみ。「みんなが頑張って優勝してくれたら、けがを治して全国大会には出られるように」という思いも叶わず、悔しいシーズンとなった。
この秋にかける思いは人一倍強い。オープン戦3試合に出場し「脚はまだ完全ではないが、打撃でアピールしたい。あと10試合、けがなく出場したい」と、大学最後のシーズンを、まずは万全の状態で戦い抜くことを誓った。
阪神・野口、広島・中村の背中を追いかけてプロの世界へ
もう一つ、この秋にかける思い、それはプロ入りだ。阿部選手がプロを目指すきっかけとなったのは、1年時の出会いだった。当時4年生だった野口恭佑選手(阪神)と中村貴浩選手(広島)、2人の「化け物みたいにすごかった」という打撃に衝撃を受け、「2人と一緒に試合に出たい」と練習に励み、1年秋にはレギュラーの座を掴んだ。偉大な先輩たちの背中を追いかけ、「プロの舞台で先輩たちと試合ができたら」と話す。
50m5秒8の俊足に加え、2年秋には本塁打王を獲得した長打力も兼ね備える。今季の目標は打率4割超え。春の悔しさをバネに、ラストシーズンで躍動し、夢の舞台への道を切り拓く。
大学生外野手では、侍ジャパン大学代表の秋山俊選手、平川蓮選手が打撃や守備などで注目され、杉山諒選手も俊足が注目されている。他にも強打のエドポロケイン選手、大学代表選考合宿でも素晴らしいアピールを見せた阪上翔也選手、俊足強打の野間翔一郎選手など、打撃や足などで素質の高い選手がそろっている。
阿部選手もその中の一人として足と強打が特徴で、プロのスカウトが最終的にどの選手を選ぶのかという所となる。春にアピールできなかった分、秋には注目される事だろう。しっかりと足と強打でアピールをしたい。
阿部 謙心(あべ けんしん) プロフィール
- 所属:九州産業大学(4年)
- ポジション:外野手
- 投打:右投右打
- 身長・体重:177cm77kg
- 経歴:九産大九州
- 主な特徴や実績:2003年7月30日生まれ。福岡県出身。50m5秒8の俊足と長打力が魅力のプロ注目外野手。2年秋に本塁打王を獲得。目標は阪神・野口恭佑、広島・中村貴浩。

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