札幌六大学野球秋季リーグでは、北の剛腕が完全復活を遂げた。コンディション不良で離脱していた北海学園大の最速159キロ右腕・工藤泰己投手(4年=北海)が、99日ぶりとなる公式戦のマウンドに上がり、最速156キロを計測する圧巻の投球を披露。視察した9球団のスカウトの前で、その健在ぶりを見せつけた。
7割の力で156キロ、99日ぶり復帰マウンド
4点リードの8回、マウンドに上がったのは6月の全日本大学選手権以来、99日ぶりの登板となる工藤泰己投手。ブランクを感じさせないどころか、その投球は圧巻だった。「(力感は)7割くらい」と語りながら、ツーシームを含めた直球系は平均154キロ、最速は156キロをマーク。わずか9球で三者凡退に抑える完璧なリリーフを見せた。
離脱の原因は「枕を変えたら寝違えた」というまさかのアクシデント。首を痛め、「キャッチャーの方向を見られなかった」という状態から見事に復活。「多少の不安はあったけど、毎日自分のできることをやってきたので、それがうまくハマった」と、地道な調整が実を結んだ。
9球団スカウトが熱視線
この日のスタンドには、ドラフト候補の剛腕の復帰登板を見届けようと、NPB9球団のスカウトが集結。その前で全9球中8球がストライクという抜群の制球力も見せつけ、完全復活をアピールした。島崎圭介監督も「みなさんが心配するほど心配ではないですよ」と全幅の信頼を寄せた。
逆転Vへ「1節の分も頑張る」
リーグ戦終了後にプロ志望届を提出予定の工藤投手だが、今はチームの勝利が最優先だ。首位と1勝差の2位につけるチーム状況で、エースの復帰は大きい。「スピードを上げたままロングイニングを投げるコツを今日つかんだ。1節の分も頑張ります」。残り3戦、北の剛腕がフル回転でチームを逆転優勝に導く。
工藤 泰己 プロフィール
- 氏名:工藤 泰己(くどう たいき)
- 所属:北海学園大学 4年
- 出身:北海高校
- ポジション:投手
- 投打:右投右打
- 主な特徴や実績:2025年ドラフト候補。最速159キロを誇る剛腕。首の寝違えによる離脱から99日ぶりに復帰し、最速156キロを計測する完全リリーフを見せた。

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