東京六大学野球秋季リーグでは、早稲田大が立教大との接戦を制し、勝ち点を2とした。今秋ドラフト候補のエース・伊藤樹投手(4年=仙台育英)が中1日で先発し、投げては8回2失点の力投、打っては先制打と決勝打を含む2打点と投打にわたる大車輪の活躍。自身の恩師でもある小宮山悟監督の現役時代の記録を超える、リーグ通算21勝目を挙げた。
投打で躍動!恩師超えの21勝目
エースの意地が、投打で炸裂した。1回戦で1失点完投しながらも敗戦投手となった伊藤樹投手は、中1日のマウンドで雪辱を果たす。最速149キロを計測した直球を軸に8回を投げ、7安打9奪三振2失点の力投。7回まで無失点と試合を支配した。
バットでもチームを牽引した。0-0の4回に先制の右犠飛を放つと、1点リードで迎えた8回2死三塁の場面では、結果的に決勝点となる貴重な中前タイムリー。投打で2打点を叩き出し、自らのバットで3−2での勝利に大きく貢献した。この勝利でリーグ通算21勝目とし、恩師・小宮山悟監督の持つ通算20勝の記録を上回った。
巨人・DeNAスカウトも絶賛「どこに出しても恥ずかしくない」
この日も東京六大学リーグが行われる神宮球場のネット裏にはスカウト陣が集結したが、
巨人・水野雄仁編成本部長代理:「投球術があり、緩急自在なピッチングで、レベルの高い投手」
と高い評価を示した。
自身の記録を超えられた小宮山監督は、「何~」と驚きつつも、「入学から携わった投手。本当に真っすぐ成長してくれた。どこに出しても恥ずかしくない」と、愛弟子の成長に目を細めた。一方で、決勝打の後に喜びのあまり一塁でタッチアウトになったプレーには「オレよりはるかに能力は高いが、違うのははしゃぎすぎるところ」と、愛情のこもった苦言も呈した。
伊藤投手も春に6勝0敗の成績を残し、その後、侍ジャパン大学代表として日米大学野球でも初戦に先発し、6回4安打4奪三振1失点に抑えると、第5戦にも先発し3回2失点だった。春からずっと投げ続けており疲労もかなり溜まっていると思うが、今週は1戦目と3戦目に先発し、1敗を喫したとはいえ、2試合16回で12安打16奪三振3失点と高い安定感を見せている。
今春6勝0敗、そして昨秋も6勝1敗、大学生の右腕投手でこれだけの実績を持つのは、青山学院大の中西聖輝投手だけだろう。急成長を見せている花園大の藤原聡大投手や、侍ジャパンで一緒に戦った齊藤汰直投手(亜細亜大)、櫻井頼之介投手(東北福祉大)などと共に、ドラフト会議では上位指名候補となる。
伊藤 樹 プロフィール
- 氏名:伊藤 樹(いとう いつき)
- 所属:早稲田大学 4年
- 出身:仙台育英高校
- ポジション:投手
- 投打:右投
- 主な特徴や実績:2025年ドラフト上位候補。最速152キロ。リーグ4連覇を目指す早稲田大学のエース。リーグ通算21勝を挙げ、小宮山悟監督の記録を上回った。





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