関西六大学野球秋季リーグは12日、大阪商業大学が京都産業大学に延長10回タイブレークの末、4-3でサヨナラ勝利。1勝1敗のタイに持ち込み、リーグ8連覇へ逆王手をかけた。投打二刀流の2年生・中山優月投手(智弁学園)が先発し、初回に3点を失いながらも9回を投げ抜く粘投で、チームを最終決戦へと導いた。
初回3失点から圧巻の粘投、9回投げ抜く
王者のプライドが、2年生右腕を奮い立たせた。負ければ7年ぶりの優勝を京産大に譲る大一番。先発マウンドに上がった中山優月投手は、「思うような球がいかなくて、プレッシャーを感じてしまった」と、初回に3点を失う苦しい立ち上がり。しかし、ここからが真骨頂だった。直後に味方が1点を返すと、中山投手も2回以降は立ち直り、9回までスコアボードに0を並べた。
「修正して低めに投げることができたのは良かった」と、6安打3失点で9回を投げ抜き、サヨナラ勝ちの呼び水となった。
二刀流が救った王者「負けが似合わないチーム」
智弁学園時代には侍ジャパンU18代表でも二刀流として活躍した逸材。今節の1回戦では「6番・中堅」として出場したが、崖っぷちに立たされたこの試合ではマウンドを託され、見事にその期待に応えた。「このチームに負けは似合わない。勝ち続けるのが大商大なので」と、常勝軍団の一員としての強い自覚を口にする。
京産大2枚看板
敗れた京都産業大、この日は2枚看板の一人でプロ志望届を提出している由上慶投手が先発し、初回に1失点、5回に2失点をしたものの9回まで7安打3失点と持ち前の粘りを見せる。しかし、延長タイブレークとなった10回も投げ続けたものの、犠打の野戦から1失点して敗れた。
京都産業大は1回戦で184球を投げている田村剛平投手が3回戦に先発する可能性が高い。絶対的王者の大商大を崩すか、それとも王者がプライドをかけた戦いを制するか、大一番となる。
中山 優月 プロフィール
- 氏名:中山 優月(なかやま ゆづき)
- 所属:大阪商業大学 2年
- 出身:智弁学園高校
- ポジション:投手、外野手
- 投打:右投左打
- 身長・体重:176cm・76kg
- 主な特徴や実績:2026年ドラフト候補。最速149キロの二刀流。高校日本代表経験あり。リーグ優勝がかかった大一番で9回3失点の粘投を見せ、チームを最終決戦に導いた。



コメント