社会人野球・トヨタ自動車の左腕・増居翔太投手(25)が17日、ドラフト会議前最後の実戦登板で7回2安打9奪三振無失点の快投を見せた。慶應義塾大学時代と社会人2年目の昨年、2度の指名漏れを経験した左腕が、3度目の正直へ向けてアピールし、視察した中日など複数球団が注目している。
最後のアピールで7回9K無失点
運命の日を前に、増居翔太投手はJABA伊勢・松阪大会のFedEx戦に先発すると、最速149キロのキレのある直球と多彩な変化球を駆使し、7回を2安打無失点、9奪三振と相手打線を完璧に封じ込めた。
この日は中日など3球団のスカウトが見守る中での快投を見せたが、「正直言うと、特に何も思わないんですよね。ドラフト前といってもプレーに一切関係ないですし、そもそも僕自身にできることはないので何も意識してないです」と話し、冷静にこの日の投球を振り返った。
2度の指名漏れと悲劇のヒーロー、苦難を乗り越え
増居投手は滋賀県内トップの進学校・彦根東高校で、3年春のセンバツで花巻東を相手に9回まで無安打無失点に抑えながら、延長10回にサヨナラ負けを喫する「悲劇のヒーロー」として注目された。野球は高校で終えるような発言もしながら慶應義塾大学へ進学すると野球部でプレーを続け、リーグ戦では1年春から登板し、3年の春に4勝、4年時は春に4勝、秋に6勝0敗の成績で、プロ志望届を提出した。
しかしそこでは指名がなく、トヨタ自動車へと進む。そして社会人2年目の昨年もドラフト会議での指名はなく、2度の指名漏れとなった。それでも、ドラフト直後に行われた日本選手権では3試合に先発し、24イニングを1失点に抑える圧巻の投球で最高殊勲選手に輝き、今年のドラフト候補として注目されていた。
中日も注目、目指すはカブス・今永
昨年は1球団のみだった調査書も、今年は複数球団から届いているという。ドラフト会議直前のこの日も3球団のスカウトが視察し、中日もその動向を注視しているという。
目指す投手はは、メジャーリーグ・カブスで活躍する今永昇太投手。「目指すべきピッチング」と語り、高めの直球を駆使した投球スタイルを参考にする。今永投手に似た長髪のスタイルになったことについては、「そこは勝手に髪が伸びて、結果的にこうなりました」と話すが、今永投手が歩んだ舞台に進む事になるか、運命の日を静かに待つ。
増居 翔太 プロフィール
- 氏名:増居 翔太(ますい しょうた)
- 所属:トヨタ自動車
- 出身:彦根東高校 – 慶應義塾大学
- ポジション:投手
- 投打:左投左打
- 主な特徴や実績:2025年ドラフト候補。最速149キロの左腕。大学、社会人で2度の指名漏れを経験。昨年の社会人日本選手権で最高殊勲選手賞を獲得。高校3年春のセンバツで9回まで無安打無失点の快投を演じた。

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