まさかの1位指名競合だった。佐々木麟太郎選手には埼玉西武、巨人、福岡ソフトバンクの3球団が熱心に視察を続けており、ソフトバンクはその動向を詳しく追い続け、動向を隠し続けての1位指名だったが、直前に横浜DeNAも佐々木選手を1位指名した。
1位指名競合
佐々木麟太郎選手の名前が2度呼ばれた。1位指名が次々と呼ばれる中で、横浜DeNAの指名に会場が大きくどよめいた。そして最後の福岡ソフトバンクも佐々木麟太郎の指名で盛り上がりは最高潮となった。
反対に交渉権をソフトバンクが獲得した時には静かだった。はたして入団にこぎつけることができるのか、ソフトバンクファンはその難しさに反応し、そしてDeNAファンからは胸を撫で下ろすようなため息も聞かれた。
しかし、当事者はそんな不安は持っていなかった。ソフトバンクの城島CBOは、「抽選になると予想していなかった。リスクを背負ってでも欲しい選手だった。」と話し、抽選を外したDeNAの相川監督の「悔しい思いをさせられた。一本で行けるのがベストだった。非常に残念」と本気で悔しがった。
事前には指名されても下位だろう、という声が聞かれた。たしかに1位指名をして、もし佐々木選手が来なかったら、1位指名に大きな穴が空いてしまう。しかし、佐々木麟太郎選手は高校通算140本塁打を放ち、2年前のドラフトでは超目玉とされた選手で、しかも高い目標を胸に、アメリカに渡った選手だ。下位指名で入団するはずはなかった。
永井編成部長も「抽選を外した所が指名してくると思っていた」と話す。高校時から熱心に追っていた埼玉西武、そしてCBOの熱意で大谷選手を翻したことのある日本ハムなどは、DeNAとソフトバンクの佐々木選手指名に、やられたの声だっただろう。
1年間追い続ける
もちろん、入団する可能性が高かったから指名をしている。ソフトバンクはアメリカにスカウトを派遣して動向を追い続け、1位指名に踏み切った。城島CBOは「企業秘密ですが、昨日、今日じゃない」と話し、かなり前から1位指名を決定していたことを明らかにした。
指名後に王会長が本人と会話をしたことを明らかにし、「すごく喜んでくれて、こっちもうれしかった。本人もありがとうございますと言ってくれた。一緒に高い目標を持って頑張ろうと伝えました」と球団を通じて明らかにした。
獲得へ
ドラフト会議ではまさかの抽選を引き当てた。城島CBOは「会長のプレッシャーが半端なくて」と笑った。そして「うちには王会長というホームランアーチストがいる。会長が見ていない景色を見てほしい」と通算868本塁打を塗り替える事を期待し、「九州の豪快な野球に、日本のプロ野球に必要。一番、活躍できるのはホークスだと自負している。1位指名は我々のメッセージ。リスクを背負ってでも来てほしい選手です」と伝えた。
永井編成部長は「彼が大学をやめると、すぐに交渉はできると思いますが、大学で来シーズンもやりたいと効いている。我々は待ちます。」と話し、長期戦を覚悟している。来年7月にはMLBのドラフト会議が行われ、交渉権の期限は7月末となっている。チームに入団するとすれば来年のシーズン後半かもしれないが、和製大砲を日本に連れ戻すことができれば、NPBにとっても大きなことであることは間違いない。








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