東北楽天は花園大の最速156キロ右腕・藤原聡大投手(21)を単独1位指名し、交渉権を獲得した。今秋のリーグ戦で評価を急上昇させた右腕は、同大学から史上初となるプロ野球選手となる。「まさか1位とは」と涙を浮かべた剛腕が、則本昂大投手の後継者として杜の都のマウンドに上がる。
大学初の快挙に涙「この大学で頑張ってきて良かった」
この秋に更にステップアップした藤原聡大投手、そしてこの秋に最も注目を集めた投手となった。春までは評価はされていたものの1位指名候補までは挙がっていなかったが、この秋の投球は全ての投手を凌駕しており、その評価が注目されていた。
事前の1位指名公表はなく、楽天から単独で1位指名を受けると、パブリックビューイング会場で見守った約200人の部員や学生から大歓声が上がった。藤原聡大投手は「まさか1位で呼ばれるとは思ってませんでした。うるっときたけど、涙は我慢しました」と語り、花園大学史上初のプロ野球選手誕生の瞬間に、感謝を伝えた。「プロになるためにこの大学に来たので、自分が初めて選んでいただいてうれしいです。この大学で頑張ってきて良かった」と喜びを噛み締めた。
則本と重なる姿、投手補強の切り札へ
投手補強が急務だった楽天にとって狙い通りの指名となった。今季は規定投球回到達者が球団史上初めてゼロに終わっており、藤原投手はまさに待望の存在だ。三木監督も「チームも将来性を期待する。スケールの大きい、日本を代表する投手に育ってほしい」と大きな期待を寄せた。
楽天のエース・則本昂大投手とは共通点が多い。同じ滋賀の公立校(水口高)出身(則本投手は八幡商)で、身長もほぼ同じ。そして何より、気持ちを前面に押し出して投げる快速球など投球スタイルも似ている。自然と「則本2世」呼ばれるようになり、そのチームへと導かれた。
高校3年春に転向、遅咲きの剛腕
そのポテンシャルは計り知れない。本格的に投手を始めたのは、水口高校3年の春から。大学4年間で球速は13キロもアップし、今秋のリーグ戦では6試合39イニングで防御率0.46と圧巻の成績を残した。登板のたびにスカウトが集結し、その評価を確固たるものにした。
日課のゴミ拾いを欠かさないなど、真面目な一面も持つ右腕。「真っすぐに自信を持っている。160キロを目指して頑張ります」と力強く宣言し、「仙台の牛タンが楽しみ。任された場所でタイトルを取れるぐらいの選手になりたい」と、杜の都での飛躍を誓った。
則本2世は本物の則本選手から受け継ぎ、そして次は藤原2世を生み出すことになる。
藤原 聡大 プロフィール
- 氏名:藤原 聡大(ふじわら そうた)
- 所属:花園大学 4年
- 出身:水口高校
- ポジション:投手
- 投打:右投右打
- 身長・体重:177cm・75kg
- 主な特徴や実績:2025年ドラフト1位(楽天)。最速156キロの本格派右腕。花園大学史上初のプロ野球選手。高校3年春に投手に転向し、大学で急成長。リーグタイ記録の1試合18奪三振もマーク。














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