広島からドラフト3位指名を受けた近畿大学の勝田成内野手(22)が27日、東大阪市の同大学で指名あいさつを受けた。3位指名選手としては異例となる新井貴浩監督のサプライズ訪問を受け、「本当にびっくりした」と感激。指揮官から来春の1軍キャンプスタートも明言され、「菊池さんに並んで、越えられるような存在になりたい」と、名手・菊池涼介内野手への挑戦状を叩きつけた。
新井監督が惚れた「野球脳」と「マインド」
163cmと12球団で最も小柄な体に、指揮官は無限の可能性を感じていた。ドラフト3位の選手にあいさつするため、勝田成選手よりも26cmも身長が高い新井監督が自ら足を運ぶのは異例のこと。指揮官は5月のリーグ戦を生観戦した際から、そのプレーに惚れ込んでいた。
新井監督は「体は小さいけど、彼を追いかけてしまうというか、目がいく選手。すごく大きく見えた。状況判断ができる視野の広い、賢い選手。自分が犠牲になってでも、という献身性も素晴らしい。走攻守すべてで高いレベルの選手だと思うが、それよりも彼の野球に取り組む姿勢だったり、マインドに一番ほれた」と評価しての指名だった。
この高い評価の証として、指揮官は勝田選手に来春キャンプの1軍スタートを明言。「ルーキーだからといって遠慮せずにポジションをつかみに来てもらいたい」と、即戦力として大きな期待を寄せた。
目標は開幕1軍、そして「菊池超え」
監督直々の訪問に、「3位なんですけど、来ていただけた。覚悟を決めて頑張りたいなと思います」と、勝田選手の表情は引き締まった。掲げた1年目の目標は「まずは開幕1軍。あと、無失策で1年間をやり終えること」。今季、春秋のリーグ戦を無失策で終えた守備には絶対の自信を持つ。
その先に見据えるのは、チームの絶対的なレギュラーであり、2020年に二塁手としてシーズン無失策を達成した名手・菊池涼介選手の背中だ。「自分は二塁でこの4年間やってきたので、二塁でレギュラーを獲りたい。菊池さんがいるので、超えられるような存在になりたい」と、大きな夢を公言した。
リーグ通算106安打の“安打製造機”
関西学生リーグでは1年秋からベストナインを6度受賞し、2年春から6季連続で打率3割以上をマーク。リーグ通算106安打を放った高いコンタクト率と、50メートル6秒2の俊足が武器だ。「長打力は他の選手よりないので、どれだけ安打を稼ぐか、どれだけ塁に出て、動いていくか。相手の嫌がるような打撃と、甘い球を1球で仕留めるようなコンタクト率が自分のストロングポイント」と自己分析。将来的には「最高出塁率であったり、最多安打のタイトルも狙っていきたい」と、“コイの安打製造機”として名を馳せる覚悟だ。
勝田 成 プロフィール
- 氏名:勝田 成(かつだ なる)
- 所属:近畿大学 4年
- 出身:関西大学北陽高校
- ポジション:内野手
- 投打:右投左打
- 身長・体重:163cm・70kg
- 主な特徴や実績:2025年ドラフト3位(広島)。関西学生リーグ通算106安打。2年連続で大学日本代表に選出。6季連続打率3割以上、ベストナイン6度。走攻守三拍子そろった二塁手。











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