秋季高校野球関東大会は26日に決勝が行われ、山梨学院(山梨1位)が花咲徳栄(埼玉1位)に14-5で大勝し、3年ぶり3度目の優勝を飾った。投打の柱であり主将を務める来秋ドラフト1位候補の菰田陽生投手(2年)が、決勝で5安打3打点の大暴れ。最終回にはマウンドにも上がり、投打「二刀流」の活躍でチームを3年ぶりの明治神宮大会出場に導いた。
決勝で5安打3打点、マウンドでも144キロ
「ネクスト大谷」の呼び声高い逸材が、大舞台でその才能を存分に見せつけた。「3番・一塁」で出場した菰田陽生選手は、初回の第1打席で中前打を放つと、そこから安打を量産。5点リードの7回1死満塁の場面では、「なんか打ち続けていたので、今日は打てるかな」と、自信に満ちた表情で打席に入り、左中間を深々と破る走者一掃の3点適時二塁打を放った。この日は驚異の6打数5安打3打点。高校通算33号を数える長打力だけでなく、広角に打ち分ける技術も見せつけた。
投げては、今夏の甲子園で痛めた右肘も順調に回復。9回にマウンドに上がり、1回1安打2失点(自責0)と結果はいまいちだったが、前日の準決勝では復活のマウンドで144キロの力強い直球を披露。夏以降に炒めていた肘は「治ったと思います」と、二刀流復活へ手応えを口にした。
3年越しの監督の「予言」
この活躍は、吉田洸二監督にとって3年前からの「予言」の実現でもあった。菰田選手が中学2年生で練習見学に訪れた際、指揮官は「2025年の関東大会は山梨で開催される。そこで先発させる」と本人に告げていたという。その言葉通り、今大会の初戦で先発マウンドに立たせた。「僕の言ったことは必ず実現する。だから変なことは言わないようにしている」と指揮官は笑った。
主将としても、「最初は全然駄目。無理かなと思ったが、関東大会で自覚が出ていたかな」と、精神面での成長も実感している。
メジャーも注目、恩返しの「神宮枠」へ
194cm100kgの恵まれた体格を誇る菰田選手には、早くも来秋ドラフトの目玉としてNPB球団だけでなく、メジャー球団のスカウトも熱視線を送っている。昨秋は関東大会8強で選抜出場を果たしたが、その際は明治神宮大会で横浜が優勝したことによる「神宮枠」の恩恵を受けた。今度は自分たちが関東王者として神宮大会に臨む。「関東代表としていい結果を残せるようにしたい」。恩返しの神宮枠獲得を誓い、全国の舞台に挑む。
菰田 陽生 プロフィール
- 氏名:菰田 陽生(こもだ はるき)
- 所属:山梨学院高校 2年
- 出身:千葉県御宿町
- ポジション:投手、一塁手
- 投打:右投右打
- 身長・体重:194cm・100kg
- 主な特徴や実績:2026年ドラフト1位候補。最速152キロ、高校通算33本塁打の投打二刀流。主将・4番・エースとしてチームを牽引。夏の甲子園4強。秋季関東大会決勝で5安打3打点を記録し、優勝に貢献した。











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