東京六大学野球秋季リーグの最終週、早慶戦の2回戦が2日に行われ、早稲田大学が3-0で慶應義塾大学に勝利し、連勝で勝ち点3を獲得、リーグ2位で今季を終えた。試合の最後を締めくくったのは、今秋のドラフト会議で指名を受けた2人の投手による「ドラ2リレー」。楽天から2位指名された伊藤樹投手(4年=仙台育英)が8回を、巨人から2位指名された田和廉投手(4年=早実)が9回をそれぞれ無失点で抑え、有終の美を飾った。
楽天2位・伊藤樹、圧巻の3奪三振
1日の1回戦に先発し、8回2失点の力投で現役最多となるリーグ通算22勝目を挙げた伊藤樹投手。この日は3-0とリードした8回からリリーフで登板。ドラフト指名後の疲れも見せず、1イニングを1安打無失点、圧巻の3奪三振に抑え、エースの貫禄を見せつけた。「気持ちよく終わることができた。終わりよければ全てよし」と、大学野球を締めくくるにふさわしい投球に胸を張った。
巨人2位・田和廉、志願の連投で有終の0封
9回、マウンドに上がったのは、巨人から2位指名を受けた守護神・田和廉投手だった。前日の1回戦では1失点を喫し、「思ったパフォーマンスが出せなかった。明日も投げさせていただけるならば絶対にゼロで抑えたい」と雪辱を誓っていた。
その言葉通り、志願の連投となったこの日。楽天2位の伊藤投手が3奪三振でマウンドを降りてきたことに、「スゴいプレッシャーを感じていた」と苦笑いしながらも、「いつも通り冷静にとマウンドに上がりました」と、1安打無失点で見事に0封。最後の打者を伝家の宝刀であるシンカーで空振り三振に仕留め、大学野球生活を「悔いなし」と総括した。
小宮山監督から「プロをなめんなよ」と愛のエール
試合後、プロの世界へ進む2人の愛弟子に対し、小宮山悟監督は「プロをなめんなよ」と、自身の経験に基づいた辛口のエールを送った。「信じられないぐらいストライクゾーンが狭い。大学レベルで3、4番を打つ連中が下位打線にいる。今までと同じつもりでいたら通用するわけないので、すぐ肩をたたかれる」。その金言を、2人は胸に刻んだ。
トミー・ジョン手術から復活し、巨人の阿部監督からも「特殊球が素晴らしい」とシンカーを絶賛された田和投手は、「“氣”の抜けた球を放らないよう、継続したい」と、恩師の教えをプロの舞台でも実践することを誓った。
伊藤 樹 プロフィール
- 氏名:伊藤 樹(いとう いつき)
- 所属:早稲田大学 4年
- 出身:仙台育英高校
- ポジション:投手
- 投打:右投
- 主な特徴や実績:2025年ドラフト2位(楽天)。最速152キロ。ゲームメイク能力に長け、リーグ通算22勝(現役最多)を誇る早稲田のエース。
田和 廉 プロフィール
- 氏名:田和 廉(たわ れん)
- 所属:早稲田大学 4年
- 出身:早稲田実業高校
- ポジション:投手
- 投打:右投右打
- 身長・体重:183cm・87kg
- 主な特徴や実績:2025年ドラフト2位(巨人)。最速152キロ。独特のスリークオーターから「特殊球」と評されるシンカーを操る。トミー・ジョン手術からの復活組。














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