来秋のNPBドラフト1位候補と目されていた仙台大学(仙台六大学野球連盟)の最速159キロ右腕・佐藤幻瑛投手(3年・柏木農)が、アメリカのペンシルベニア州立大学に編入することが12月22日、同大学野球部の公式SNSで発表された。来年2月下旬に渡米し、2027年夏のMLBドラフト指名を目指して新たな挑戦をスタートさせる。
名将ソーシアらを輩出した名門へ、「夢に向かって全力で」
進学先のペンシルベニア州立大は、NCAA(全米大学体育協会)ディビジョン1に所属する強豪で、今夏のMLBドラフトでは5人の指名選手を出した名門校の一つ。
佐藤幻瑛投手は自身のインスタグラムで次のようにコメントをしている。
「このたび、ペンシルベニア州立大学で学業と野球のキャリアを続けることを非常に嬉しく思います。はじめに、仙台大学で過ごした時間に心から感謝したいと思います。コーチング陣、選手、そしてチームに深く感謝しています。ここまで支えてくれた家族、ペンシルベニア州立大学のスタッフやコーチ、代理人事務所、そしてこの機会を実現するために関わってくださったすべての方に心から感謝しています。
これから始まる新しいチャレンジを楽しみながら夢に向かって、全力で取り組んでいきます。
今後とも温かいご声援よろしくお願いします。」
日米大学野球で自信、目標は「165キロ」
佐藤投手は今夏の日米大学野球選手権で日本代表として活躍。メジャー予備軍を相手に自慢の剛速球で真っ向勝負を挑み、優勝に貢献したことでMLBへの思いを更に強くした。「165キロ出したいです」と公言する未完の大器は、より高いレベルでの成長を求めて海を渡る。
今後については、2026年は規定によりリーグ戦には出場できないが、サマーリーグなどで実戦経験を積み、2027年春のリーグ戦に参加。同年7月のMLBドラフトでの指名を待つことになる。スタンフォード大の佐々木麟太郎選手らと共に、新たな「侍メジャーリーガー」の誕生に期待がかかる。
NPBのドラフト指名があるか
NPBのドラフト会議の規定では、翌年のMLBドラフトの対象となる選手は、その前年のNPBのドラフト会議で指名できる。今年も佐々木麟太郎選手(ソフトバンク1位)や石川ケニー選手(オリックス6位)がその対象となっており、来年のMLBのドラフト会議の指名を待って、交渉権を持つ球団がその行方を見守っている。
佐藤投手も2027年のMLBドラフト指名対象ということで2026年のNPBのドラフト会議で指名ができる。今年は佐々木麟太郎選手にソフトバンクと横浜DeNAが1位指名をしたが、佐々木選手の場合はNPB入りの可能性も示しての渡米だったこともあり、指名球団もNPBでのプレーの可能性を確認しての指名だった。
しかし、佐藤投手の場合はMLB入りを明言しての渡米ということで、NPBのドラフト会議で指名されても、来る可能性は非常に少ないだろう。それでも、中位から下位で指名をする球団があるかもしれない。いずれにしても佐藤投手の挑戦と、それを取り巻くMLB,NPBの動きに注目したい。
佐藤幻瑛 プロフィール
- 氏名: 佐藤 幻瑛(さとう・げんえい)
- 所属: 仙台大学(3年) → ペンシルベニア州立大学(編入予定)
- 出身: 青森県黒石市(柏木農業高校卒)
- ポジション: 投手
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 180cm、90kg
- 主な特徴や実績: 最速159キロの直球を武器とする剛腕。日米大学野球選手権優勝メンバー。NPBドラフト1位候補から米大学編入という異例の挑戦を選択。










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