2025年も残す所わずかとなり、2026年のドラフト戦線がもう既に始まっている。高校生では、BIG3とも言われる高校2年生、織田翔希投手(横浜)、末吉良丞投手(沖縄尚学)、菰田陽生投手(山梨学院)がいる中で、大阪桐蔭の最速153キロ右腕・吉岡貫介投手(2年)、市和歌山の最速150キロ右腕・丹羽涼介投手(2年)、そして公立校から現れた“原石”・香里丘の岡本翔斗投手(2年)など、関西にもドラフト注目投手がそろう。
大阪桐蔭・吉岡貫介投手
名門・大阪桐蔭で新エースの座を狙う吉岡貫介投手は、174cmと上背は無いものの、今夏前に関東遠征で抜群の球威を見せて注目された。「ズドンといく」(スポーツニッポン)と表現する直球は最速153キロを記録しており、回転数は2600を誇る。
注目投手は1年生時点から目立った活躍をするが、吉岡投手は1年春に右肩、2年春に右肘を痛め、故障に苦しんだ。しかし、その期間の走り込みで下半身を強化すると、「故障が治り、投げてみると速くなっていた」(スポーツニッポン)と話すように、復帰後の今夏に自己最速を更新した。「目標は高卒1位でプロに行くこと。」(スポーツニッポン)と宣言する右腕は、今年、オリックスにドラフト2位で指名された先輩・森陽樹投手より上の順位でのプロ入りを目指す。
市和歌山・丹羽涼介、横浜を封じた「小園2世」
市和歌山の丹羽涼介投手は、今春センバツで強豪・横浜高校を相手に6回2/3を1失点、8奪三振と好投し、全国にその名を一気に広めた。OBであるDeNA・小園健太投手を参考に「指先で切る」リリースを習得し、直球は最速150キロまで進化。「落差のあるフォークやスライダーも僕の武器(スポーツニッポン)。」と語る本格派だ。
丹羽投手も1年時は苦しんでいた。特に1年秋には球速が140キロを越えず、対戦した智弁和歌山の宮口龍斗投手や渡邊颯人投手が140キロ台を連発し、「あの時は心が折れた(スポーツニッポン)」と話す。しかし、2年でその状況を大きく覆し、和歌山県どころか関西を代表する右腕投手となった。
半田真一監督も「プロに行ける素質がある」と太鼓判を押すが、本人は「高卒プロの現実は厳しいと分かっている(スポーツニッポン)。」と進路には慎重な姿勢も見せているという。
香里丘・岡本翔斗、公立校の星が「打倒・私学」へ
甲子園未出場の公立校・香里丘高校の最速144キロ右腕・岡本翔斗投手も関西の注目投手の1人だ。180cm72kgとまだ線の細さを感じさせるものの、しなやかな腕の振りから投じるストレートは伸びがあり、鋭く沈むスライダーは空振りを奪える。
スカウトも注目する中で、夏の大阪大会では、履正社との試合で6回まで2失点と好投、その後、失点し8回6失点だったものの、視察したスカウトは「楽天の岸みたい」と評したという(スポーツニッポン)。
中学時代は軟式野球部でプレーし、球速は120キロ台だった岡本投手、今年は、高蔵寺の芹澤大地投手など、公立高校に注目投手が登場したが、来年の公立の星として注目されることは間違いない。「150キロを投げ、次こそ履正社を倒したい。そして高卒でプロに行きたいと思っています(スポーツニッポン)。」と話し、公立校からのプロ入りを目指す。
高校BIG3に続く高校生も注目される来年、他にも近江の上田健介投手は148キロの速球を投げる大黒柱、奈良大付の新城楓雅投手は188cmの長身から145キロの速球を投げ下ろし、そのスケールはこれまで挙げた投手を上回る物を持っている。智弁学園の杉本真滉投手、滝川二の藤本絆那投手などポテンシャルの高い投手もそろい、この冬にどれだけ成長しするかが楽しみだ。
注目選手 プロフィール
吉岡 貫介(よしおか・かんすけ)
- 所属: 大阪桐蔭高校(2年)
- ポジション: 投手
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 174cm、78kg
- 特徴: 回転数2600を誇る最速153キロ右腕。故障を乗り越え球速アップ。目標は高卒ドラフト1位。
丹羽 涼介(にわ・りょうすけ)
- 所属: 市立和歌山高校(2年)
- ポジション: 投手
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 183cm、77kg
- 特徴: 最速150キロの直球とフォークが武器。センバツで横浜高校を相手に好投した実績を持つ。
岡本 翔斗(おかもと・しょうと)
- 所属: 香里丘高校(2年)
- ポジション: 投手
- 投打: 右投左打
- 身長・体重: 180cm、72kg
- 特徴: 公立校の素材型右腕。しなやかなフォームからキレのある直球とスライダーを投じる。高卒プロ志望。









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