【2021年ドラフト総決算7】大学生ドラフト候補の評価の変遷〜2

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2021年のドラフト会議では、大学生投手では西日本工業大の隅田知一郎投手に4球団の指名が重複し、NO.1投手となった。東北福祉大・椋木蓮が単独1位指名、外れ1位では法政大・山下輝投手、関西国際大・翁田大勢投手、関西学院大・黒原拓未が指名された。

野手ではブライト健太選手が唯一1位で指名され、大学NO.1野手となった。そんな大学生の評価の変遷を振り返る。

【2021年ドラフト総決算7】大学生ドラフト候補の評価の変遷〜1

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3年

2020年3月13日、阪神2軍と対戦した関西国際大は、3年生の翁田大勢投手が4回3安打5奪三振のピッチングで、視察した巨人、阪神、横浜DeNA、東京ヤクルト、広島、中日、福岡ソフトバンク、北海道日本ハム、オリックス、東北楽天の10球団約20人のスカウトから評価された。

しかし、この後、新型コロナの感染拡大による緊急事態宣言がだされ、春の大学野球は、リーグ戦の他、オープン戦すらこくわずかしか行われなくなった。

徐々に新型コロナの事を把握するようになり、秋は大学野球が少し戻ってくる。そして3年生選手の活躍もちらほら聞かれるようになった。

明治大とのオープン戦で登板した中央学院大の山崎凪は、5回をノーヒット1失点の投球、筑波大の佐藤隼輔はリーグ戦の東海大戦で7回3安打8奪三振1失点、11球団のスカウトもアピールをした。

西日本工業大では4年生の丸山翔大が192cm右腕として、2020年のドラフト候補として注目され、日本文理大とのリーグ戦をスカウトが視察している。この試合で6回からリリーフしたのは隅田知一郎、この時すでに150キロを突破している左腕投手だったが、まだ知名度は高くなかった。丸山が東京ヤクルトの育成ドラフト4位で指名されると、隅田も「目標の150キロを超えたので、次は152キロ、153キロを出せるように投げていきたい」と翌年のプロ入りを誓った。

関西地区大学野球選手権では近畿大と大阪商業大が対戦する。近畿大は佐藤輝明が注目され、阪神など7球団のスカウトが注目した試合で、福元悠真がレフトスタンドにホームランを放つ。まだ太股の肉離れが残っていたが、「この冬で治しきりたい」と話し、翌年のドラフト会議を見つめていた。

東都大学リーグでは2部で青山学院大が優勝した。新型コロナの影響による特別ルールで、1部2部入れ替え戦は行わず、優勝をすれば1部に自動昇格というチャンスで、日大と青学大が首位を争ったが、最終戦で日大が専修大に敗れ、青学大が拓殖大に勝利して1部昇格を決めた。

この戦いは青学大の151キロ右腕・森圭名と、日大の赤星優志のどちらが、ドラフト年の春に1部リーグで戦えるかという、人生をかけた戦いだったが、森がチャンスを掴んだ。赤星は4年秋の昇格をかけて春に全力を尽くすことになる。

ここまでは新型コロナの影響もあり、やや大人しめだったが、関東地区大学野球選手権で盛り上がりを見せた。共栄大の150キロ右腕・小向直樹が白鴎大から8回10奪三振を記録すると、武蔵大の山内大輔も神奈川大を完封する。

創価大の152キロ左腕・鈴木勇斗は、国際武道大戦で156球を投げて4安打12奪三振3失点で完投勝利を挙げ、上武大戦でもリリーフで3回2/3をノーヒット9奪三振という圧巻の等級をみせた。この大会で敢闘賞に輝いた鈴木は、来年に向けて評価を大きく上げることに成功した。

4年

年が開ける。年始は新型コロナの感染が拡大しており、各大学とも対策をしたなかで始動する。

オープン戦などが始まる前より、白鴎大の中山誠吾選手に横浜DeNAのスカウトが視察し、注目左腕・伊藤稜のいる中京大の紅白戦に中日スカウトが姿をみせた。

そしてオープン戦が始まる。早大の徳山壮磨はENEOS戦で5回7奪三振無失点の投球、法政大の三浦銀二もENEOS戦で3回1安打無失点、横浜商大も飯田琉斗がENEOS戦で3回5安打3失点、法政大の古屋敷匠真も日大戦で3回ノーヒット5奪三振の投球を見せた。

早稲田大の西垣雅矢もHonda戦で5回1安打無失点、亜細亜大の岡留英貴は神奈川大戦で3回無失点、NO.1左腕と評される筑波大の佐藤隼輔も、東洋大とのオープン戦で5回1安打5奪三振失点のピッチングを披露し、11球団のスカウトを喜ばせた。

ほかにも日大の赤星優志、中央学院大の古田島成龍山崎凪、創価大の鈴木勇斗などの試合にプロのスカウトが視察のために集まった。そして法政大が横浜DeNAの2軍と対戦し、三浦銀二山下輝古屋敷匠真の3投手が登板すると、9球団23人のスカウトが集まった。この試合で三浦は4回1安打7奪三振無失点の好投をみせていた。古屋敷は2回をパーフェクト、山下も1回を無失点に抑えている。

関西国際大の翁田大勢は、三菱重工Westとのオープン戦で7回4安打8奪三振無失点の好投、この試合を視察した巨人の榑松スカウト部次長は、「希少な投手。いい投手です」と評価していた。

野手では関西大の野口智哉久保田拓真、国士舘大の池田来翔、早稲田大の岩本久重、神奈川大の梶原昂希、日大の峯村貴希、明治大・丸山和郁などにスカウトが注目し、上武大のブライト健太は立教大とのオープン戦で外野の頭を越える当たりをみせていた。

法政大注目トリオがDeNA2軍と対戦、三浦銀二投手・山下輝投手、古屋敷匠真投手に9球団23人スカウト視察
それぞれ最速150キロを越す速球を投げる法政大の三浦銀二投手、山下輝投手、古屋敷匠真投手がDeNA2軍とのプロアマ交流戦に登板し、9球団23人のスカウトが大集結してその投球をチェックした。

 

春のリーグ戦が始まる。

東都では駒澤大の鵜飼航丞、中央大の古賀悠斗、国学院大の山本ダンテ武蔵がホームランを争い、山本が5本、鵜飼と古賀は3本塁打を記録した。共にドラフト候補と注目される中で、ホームランがこれだけ打てたことは、秋のドラフト会議に向けて大きなアピールとなった。

東京六大学は法政大の三浦銀二が開幕の慶応大戦で9回ノーヒット1失点という珍しい完投勝利を挙げた。ただし球速は140キロとやや物足りなさも感じさせた。150キロ左腕の山下輝は、4年春にリーグ戦初完投勝利を挙げ、一歩ずつではあるが力をみせられるようになっていた。

慶応大の正木智也は、立教大戦で決勝の3ランなど、ここぞでホームランを放つ。打率こそ.257だったものの、4本塁打で本塁打王に輝いた。

筑波大の佐藤隼輔はリーグ戦の開幕戦で9回3安打8奪三振完封のさすがの投球をみせ、12球団すべてのスカウトが視察をした。しかし、東海大戦では6回5失点で降板し、まだ頼りきれない投球となっていた。

関西学生リーグでは、関西学院大の黒原拓未が大ブレークする。近畿大、同志社大を連続完封し、5勝1敗、防御率0.70、の成績でチームを優勝に導き、MVP,最優秀投手、ベストナインの3冠に輝いた。また関西大の野口は打率.308と安定感をみせ、捕手の久保田拓真が3本塁打15打点で2冠に輝き、プロも注目する選手になっていた。

西日本工大の隅田知一郎は、近大産業理工学部で6回7奪三振3失点にまとめ、「九州の中ではトップクラスの投手」と評価された。しかし三つ巴となった代表決定戦を制し、大学野球選手権出場を決める。

京産大の北山亘基も神戸学院大戦で9回4安打15奪三振2失点の投球に、8球団のスカウトが高評価をし、ドラフト上位候補と評価されていた。金沢学院大の松井友飛にも多くのスカウトが集まり、首都大学リーグ2部の明星大・権田琉成投手も5球団から注目を浴びた。

東北福祉大の椋木蓮は、今季は先発として登板していたが、優勝をかけた仙台大戦の初戦では先発で9安打6失点で5回途中で降板してしまう。しかし2回戦ではリリーフで投げると152キロの速球で1回を無失点に抑え、リーグ優勝を決めた。

上武大のブライト健太、関甲新リーグでは新潟医療福祉大の桐敷拓馬から3安打2打点を記録するなど打撃の成長が見られ、桐敷投手を視察していた中日など6球団のスカウトが注目するようになっていた。

創価大の鈴木勇斗は開幕戦で12球団のスカウトが集まり好投を見せる、しかしその後にチームでクラスターが発生し、首位を走っていたシーズンを途中で出場辞退する事になった。

主役のそろった大学野球選手権では、関西学院大の黒原拓未が7回8奪三振1失点と好投をすると、西日本工大の隅田知一郎は、14奪三振1失点の圧巻の投球をみせ、大学NO.1左腕と評価が定まった。

その隅田から唯一の得点となるソロホームランを放った上武大・ブライト健太と、その上武大と準決勝で対戦し、ホームランを放ってみせた慶応大・正木智也は、打撃の評価で別格となった。

大学生ドラフト番付(2021)~大学選手権場所~
大学野球選手権に出場した選手の、ドラフト番付をしてみました。

最後に東都の2部では、日大の赤星優志が優勝を争う専修大戦で5安打完封、150キロを連発する投球に6球団のスカウトも高く評価した。続く専大戦でもリリーフで登板して好投した赤星投手は2部リーグ優勝を果たすと、東洋大との入れ替え戦でも1戦目で先発、2戦目でリリーフで好投し、見事に1部昇格を決めた。

4年秋

大学4年間の最後のシーズンが始まる。しかし、各大学ともに新型コロナの影響を受け、満足した準備ができない状態でシーズンに入ったチームも少なくない。

その中で法政大は8月にクラスターが発生し、東京六大学出場辞退の可能性もあったが、リーグ戦を送られ、また日程を変更することで最悪の事態にはならなかった。しかし、リーグ戦初戦は10月9日、今年のドラフト会議が行われる10月11日の2日前という日程に、選手もプロのスカウトも苦慮した。

秋季リーグ戦では、東都1部に昇格した日大の赤星優志が2試合連続完封勝利を挙げて力みせたものの、本来の力を発揮できた選手は少なかったように見える。そのため、基本的に春までに評価されていた選手が、ドラフト会議で名前を呼ばれていった。選手にとっては、まだやれたのにという思いの残る、2021年の秋となった。

ドラフト会議が終わって1週間、秋季リーグ戦は終盤戦を迎え、実戦の感覚を取り戻した選手たちの熱戦が繰り広げられている。

2021年ドラフト会議、指名選手一覧
2021年のドラフト会議は10月11日に行われ、支配下ドラフトが77人、育成ドラフトで51人の、合わせて128人が指名されました。
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