日本海リーグの富山GRNサンダーバーズがオリックス2軍との交流戦を行ったが、3-19で大敗を喫した。多くのNPBスカウトが視察に訪れる絶好のアピールの機会だったが、先発した小笠原天汰投手(20)、2番手で登板したシャピロマシュー一郎投手(22)ともにほろ苦い結果となった。
奪三振王・小笠原天汰投手、4回4失点「まだ技術が足りない」
先発マウンドに上がったのは、今季リーグトップの25奪三振を誇る高校卒3年目の右腕・小笠原天汰投手。伸びのあるストレートを武器に最速147キロをマークし、2回までは無失点と上々の立ち上がりを見せた。しかし3回、4安打を集中され4失点。4回でマウンドを降りた。
国士舘高校の3年時に140キロ後半の速球を記録してプロのスカウトも注目した投手で、独立リーグで3年間鍛えられアピールのチャンスだったが、上原茂行監督は「変化球でかわすのではなく、変化球で攻めないといけない。それが理解できれば投球に幅が出る。まだ技術が足りない」と、さらなる成長へ向けて課題を指摘した。
152キロ右腕シャピロ・マシュー一郎投手も5失点「もっとレベルを上げていきたい」
5回からは、193cm102kgの恵まれた体格から152キロの速球を投げる右腕、シャピロマシュー 一郎投手が登板。力強いストレートで真っ向勝負を挑み、自己最速タイの152キロを記録した。しかし、6回に2つの四球と味方のエラーも絡んで5失点。2イニングで5安打を浴び、こちらも悔しい降板となった。
「いい方向に調子は上がってきていると感じていたが、ストレートだけになってしまった。正直、今日はいけると思っていたが悔しいです。もっとレベルを上げていきたい」と、マシュー投手は必死に前を向いた。
シャピロ・マシュー一郎投手も国学院栃木時に大きな体から140キロ後半の速球を投げて注目された。しかし、当時はコロナ禍でアピールする機会もなく、国学院大に進学をする。国学院大ではレベルの高い投手陣のなかで制球の課題は残っており、登板の機会は少なかった。今年から加入した独立リーグで球威を見せるとともに制球力の向上を図り、プロ入りを目指す。
チームは2回までに3点を先制したものの、終わってみれば23安打19失点の大敗。上原監督は「この試合を目標に、時間を与えてきて調整してきた。多くのスカウトが見に来ているのは、選手もわかっている。舞台を与えられ、自分がつかめるかの状況なのですが」と厳しい表情を見せた。スカウトはこの日の結果だけを重視するわけではない。素質の良さはそれぞれ見せることができたし、これまでの投球も評価の対象になる。
それでも、目標としてきた試合にしっかりと結果を出すことも評価される要因となり、これまでもそうやってプロ入りを掴んだ選手はたくさんいる。次にこのような機会がある時には絶対に逃さない投球を見せてほしい。
小笠原天汰投手 プロフィール
- 氏名:小笠原 天汰(おがさわら てんた)
- 年齢:20歳
- 所属:富山GRNサンダーバーズ(3年目)
- 出身高校:国士舘高校
- ポジション:投手
- 投打:右投
- 主な特徴や実績:最速148キロの右腕。2025年6月25日時点で、日本海リーグの奪三振数トップ(25個)。オリックス2軍との交流戦で先発し、4回4失点。伸びのあるストレートが武器。
シャピロ・マシュー一郎投手 プロフィール
- 氏名:シャピロ・マシュー一郎(しゃぴろ ましゅーいちろう)
- 年齢:22歳
- 所属:富山GRNサンダーバーズ
- ポジション:投手
- 投打:右投
- 身長・体重:193cm・102kg
- 主な特徴や実績:最速152キロを誇る大型右腕。オリックス2軍との交流戦でリリーフ登板し、2回5失点。恵まれた体格から投げ下ろす力強いストレートが持ち味。

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