オリックスからドラフト1位指名を受けた延岡学園・藤川敦也投手(18)が24日、宮崎・延岡市内の同校で福良淳一GMらから指名あいさつを受けた。九州No.1右腕は「新人王」獲得を宣言するとともに、将来的には「160キロ」「沢村賞」という壮大な目標を掲げ、憧れの山下舜平大投手の背中を追う決意を示した。
指名あいさつで決意表明「沢村賞獲る」
ドラフト会議から一夜明けた10月24日、オリックスの福良淳一GM、牧田勝吾編成部副部長、山口和男スカウトグループ長、担当の縞田拓弥スカウトらが宮崎・延岡市内の延岡学園高等学校を訪れ、ドラフト1位で指名した藤川敦也投手(18)に指名あいさつを行った。
18歳の誕生日に吉報を受けた藤川投手は、「やっぱり1位で指名してもらったのは非常にうれしいです。本当に自分のことをしっかり評価してもらっていて、自分がやってきたことがしっかり身になったと感じました」と引き締まった表情で喜びを語った。
プロ入り後の目標について問われると、「新人王は一番取りたい」と即答。さらに、「160キロをまず投げるのが投手としての一番の目標。将来的には防御率とか最多勝、沢村賞まで獲れる投手になりたい」と大きな夢を堂々と口にした。その上で、「エースとしてチームを日本一に導けるような投手になりたい」と力強く決意を新たにした。
福良GMも絶賛「早く1軍で投げられそう」
藤川投手の体つきを間近で見た福良GMは、「しっかりしている。がっちりしている」とその肉体を高く評価。「球の強さが一番。ポテンシャルの高さでまだまだ伸びしろを持った選手なので、入ってからが本当に楽しみなピッチャーになる」と、その将来性に太鼓判を押した。
さらに「ブルペンを見てからですけど、早い段階でゲームに入っていけるんじゃないか」「早く投げられそう」と、早期の1軍デビューにも期待を寄せ、「球団を背負って立つ投手になれると信じて指名した」と最大級の賛辞を送った。担当の縞田スカウトも「ナンバーワン」と絶賛する逸材だ。
奇しくも福良GMは延岡市出身。2位指名した大阪桐蔭高・森陽樹選手も同市出身という縁もあり、GMは「いい投手からいったらこういう感じになった」とニンマリしていた。
憧れは山下舜平大、恩師は山本由伸の指導者
オリックスには山本由伸投手(現ドジャース)や宮城大弥投手ら、高卒投手の育成に成功した輝かしい実績がある。藤川投手が憧れの存在として名前を挙げたのも、同じ高卒の先輩である山下舜平大投手だ。中学時代にオリックスの春季キャンプを見学した際、怪物のブルペン投球を目の当たりにし、「やっぱり凄かった」と目を奪われたという。
藤川投手は「フォームとか技術もそうですけど、食事とか私生活の面も凄いと聞いている。そういうところをしっかり聞きたい」と、格好のお手本との対面へ目を輝かせた。
また、延岡学園の森松賢容部長は、山本由伸投手を宮崎・都城高時代に指導した縁がある。森松部長からは「人間性や練習への向き合い方」や「現状に満足せず、どんどん上を目指す」ことの大切さを説かれてきたという。藤川投手もその教えを胸に、高校野球引退後も週に5~6回の自主練習を欠かさず、強い体づくりに励んできた。
本場チキン南蛮で築いた肉体
183cm88kgという恵まれた肉体は、この3年間で築き上げたものだ。グラウンドでの練習に加え、「おなかいっぱいまで食べる」という食トレにも励み、入学時から10キロ近くの増量に成功した。
福岡出身の右腕にとって、延岡が発祥といわれるチキン南蛮は好物の一つ。頻繁に食べる機会はなかったというが、本場の味は「今までのチキン南蛮史上で一番おいしい」と絶賛するほどで、このソウルフードも屈強な体を作る血肉となった。
プロフィール
- 氏名:藤川 敦也(ふじかわ・あつや)
- 所属:延岡学園高等学校 3年
- 生年月日:2007年10月23日(18歳)
- 出身地:福岡県飯塚市
- 身長・体重:183センチ、88キロ
- 投打:右投右打
- ポジション:投手
- 主な特徴や実績:最速153キロの本格派右腕。持ち球はスライダー、カーブ、チェンジアップ、フォークボール。高校通算19本塁打を放つ打撃センスも持つ。延岡学園では2年秋からエース。甲子園出場経験はなし。九州No.1右腕と高く評価され、2025年ドラフト1位でオリックス・バファローズが指名。憧れの選手は山下舜平大投手。恩師は山本由伸投手の元指導者・森松賢容部長。好きな言葉は「継続」。













コメント