中日が新入団選手発表、選手の横顔と戦力アップ分析

中日ドラフトニュース2015年ドラフトニュース

中日がドラフト会議で指名された12人の入団発表を行った。選手の横顔やプロでの活躍の姿、チームの戦力アップなどについて意見を書きます。

中日2015年入団選手一覧

順位 選手名 位置 出身 身長体重 投打 契約金 年俸 背番号
1 小笠原慎之介 東海大相模 180cm83kg 左左 10000 1500 11
2 佐藤優 東邦福祉大 187cm85kg 右左 7000 1000 14
3 木下拓哉 トヨタ自動車 183cm92kg 右右 6000 1000 35
4 福敬登 JR九州 178cm87kg 左左 5000 1000 34
5 阿部寿樹 ホンダ 185cm80kg 右右 5000 1000 5
6 石岡諒太 JR東日本 187cm90kg 左左 5000 1000 36
育1 中川誠也 愛知大 178cm81kg 左左 200 300 203
育2 吉田嵩 徳島インディゴソックス 185cm83kg 右右 200 300 205
育3 三ツ間卓也 武蔵ヒートベアーズ 183cm92kg 右右 200 300 206
育4 西濱幹紘 星城大 174cm78kg 右右 200 300 208
育5 呉屋開斗 八戸学院光星 180cm75kg 左左 200 300 210
育6 渡辺勝 東海大 172cm80kg 右左 200 300 212

 

 新人選手の横顔

ドラフト1位・小笠原慎之介投手 期待度1年目:☆☆ 3年目:☆☆☆☆

最速152キロの左腕投手で東海大相模では夏の甲子園全国制覇、U18では疲労もあってか活躍ができなかったが、実績、力も十分の投手で球団も外れ1位ながら最高条件で契約し1年目から期待を寄せている。

ただし小笠原投手は1年時、2年時と安定したピッチングができ、そのオフに体が一回り大きくなりこの春に150キロを記録した。夏の神奈川大会はフォームも力も圧倒的なピッチングを見せていたが、甲子園では後半は上体の力だけで投げ、体が大きくぶれるなどしていた。まだ成長過程の投手と言え、1年間投げられる体を作っていくのに少し時間が必要か。といっても1年目後半から2年目には1軍で機会を得ているだろう

またプロでは速い球だけでは通用せず、これまで多くの投手がその苦しみを味わった。フォームの特徴や変化球なども必要となるが、それがすぐに通用すれば順調に成績を残していける。もし最初につまずけば、変化球の習得やフォーム変更に時間を費やすかもしれない。ストレートが速いからこその危うさも感じさせる。

ドラフト2位・佐藤優投手 期待度1年目:☆☆☆ 3年目:☆☆☆

187cm85kgという体格があるが、線が細く見え、力ではなく繊細でしなやかな印象を受ける投手。フォークボールがあるものの上から角度をつけるのではなく、長い手足でバッターの近くでリリースししっかり腕を振ってくる。

キレの良い球を投げ、コントロールもまずまずあり、木佐貫洋投手のような感じで活躍するのではという印象、すごさという感じではなくしっかり役割を務めそうな投手で、リリーフよりも先発タイプと思う。

ドラフト3位・木下拓哉捕手 期待度 1年目:☆☆☆ 3年目:☆☆☆

法政大、トヨタ自動車で様々な投手をリードし社会人1年目で日本選手権優勝の実績を残した。体が大きく安定感のある捕手として期待される。肩もプロのレベルではあるものの驚かされるような所ではないように思える。

打撃についてはスイングが鋭く思い切りもありインコースはスタンドに放り込める力がある。ただし開き気味のフォームで外角は何とか当てる感じで逆方向に引っ張るような打撃はまだできていない。外角にはかなり苦しむかもしれないが、一発の怖さを秘めた下位の打者として打撃でも相手投手攻略に貢献してくれそうな感じ。

ドラフト会議では1位候補にも挙がっていたが、3位がちょうどよい順位だったと思う。

ドラフト4位・福敬登投手 期待度 1年目:☆☆☆☆ 3年目:☆☆☆

バランスが良くきれいなフォームで150キロの球を投げるが開きもそれほどでもない。肩が柔らかそうで腕が遅れて出てくるようなところもある。たたきつけるような力のある球があり投げっぷりが良いといわれる投手だろう。JR九州では今年はエース格として活躍、圧巻のピッチングを見せたが、コントロールに苦しみ失点を重ねる試合もあった。

安定感というよりは勢いに乗っていくタイプの投手と言え、リリーフ左腕としてピンチで起用されることが予想される。きれいなフォームが合わされやすさにならなければ、1年目から結果を残す投手だろう。

ドラフト5位・阿部寿樹選手 期待度 1年目:☆☆ 3年目:☆

体が大きい選手だが逆方向に打つのがうまいタイプの選手で、長打力よりもアベレージ型の打者。見極めもしっかりしており、出塁などでつなぐこともできるだろう。遊撃手としても安定した守備を見せる。活き良い若手が入ってくるとポジションを奪われてしまうようなタイプかもしれないが、チームにしっかりと貢献できるタイプの選手だと思う。

ドラフト6位・石岡諒太選手 期待度 1年目:☆☆ 3年目:☆☆

打撃センスが高く社会人1年目から活躍を見せていた選手。投手に背番号が見えるほど深く構えていたが徐々に体の力ではじき返せるようになった。インコースも強くはじき返すが得意なのは外角だろう。やや腰が開きインコースに少し苦手意識もあるかもしれない。

昨年も今年も社会人出身の野手がチームに入団しているが、打撃については一番センスが感じられる。守備でポジションを奪うのは大変だが、代打などでチャンスをつかんでほしい。

育成ドラフト1位・中川誠也投手 期待度1年目:☆ 3年目:☆☆

フォームはあまり前に乗ってくるようなところがなく迫力不足の感じがある。速球も変化球もキレがあり投げる球は良いものがある。下半身もがっしりしており安定感があるので、何とかプロでやれるフォームを作り上げてほしい。

育成ドラフト2位・吉田嵩投手 期待度1年目:☆ 3年目:☆☆☆☆

個人的にかなり評価をしている。海星高校ではオーソドックスなフォームだが145キロのストレートに伸びがあった。徳島では足を大きく上げいったん体重を軸足に乗せるフォームとなり、タイミングが取りにくいフォームになっている。ややぎこちなさも感じさせ球速はアベレージで140キロ前半になっているが、伸びるストレートで空振りを奪えている。

高校時代の時のようにオーソドックスなフォームから伸びるストレートを目指すか、今のフォームでフォームを固めていくか、いずれにしても非常に楽しみな投手。

育成ドラフト3位・三ツ間卓也投手 期待度 1年目:☆☆ 3年目:☆

コンパクトなフォームで横から速い腕の振りで140キロ前後の球を投げてくる変則フォームの投手。その特徴を活かすことができれば1年目から結果を残して支配下入りできそうだ。右打者のインコースをついて右専用の投手としても期待したいが、左打者のインコースにしっかりと投げ込めれば長いイニングも任されそうだ。逆にこういう投手は育成ではなくドラフト下位で獲得して1年目から試したい投手だと思う。

育成ドラフト4位・西濱幹紘投手 期待度 1年目:☆☆ 3年目:☆☆☆

バランスが良いフォームから140キロ後半の速球を投げる投手で、非常に魅力を感じる。変化球やコントロールなどまだ情報が少ないが、大化けする可能性がある。

ドラフト5位・呉屋開斗投手 期待度 1年目:☆ 3年目:☆☆

左からの角度がありコントロールの良い投手。180cmの身長もあるがまだ力は不足しており、体ができて140キロをコンスタントに投げられるようになれば面白い。右手の使い方などもこれから覚えていけるだろう。

ドラフト6位・渡辺勝選手 期待度 1年目:☆☆ 3年目:☆☆

小柄だが体はしっかりしており、コンパクトなスイングでヘッドを効かせて左右にはじき返す。良くこの順位でプロ入りしたという選手で、あとは成績を残すだけだろう。パチンと返す打撃だけでなく体全体で運ぶようなところもできてくると面白い。

 

チーム全体の戦力アップ 1年目:☆☆☆ 3年目:☆☆☆

1年目では福投手はリリーフで重要な活躍を見せてくれるかもしれない。佐藤投手も1軍でそこそこ投げ、木下選手、阿部選手、石岡選手も1軍をのベンチ入りを争いには入ってきそうで、昨年獲得した社会人出身選手と競争となる。ベテラン選手が多く抜けチャンスは増えているが、1軍でガッツリと成績を残せるという感じではないように見える。

3年目では小笠原投手にや育成の投手に期待できるが、社会人選手については生き残りの時期となってくる。小笠原投手の活躍次第で成功ドラフトと呼ばれるかどうかだろう。

この記事を書いた人
yuki

 1996年よりドラフト会議ホームページを解説し、30年間に渡ってドラフト候補選手の分析や12球団のドラフト会議の指名を分析してきました。
 雑誌「野球太郎(http://makyu.yakyutaro.jp/)」にも執筆。
 2008年からはドラフト会議に関する情報を毎日投稿しており、2024年時点で23,000以上の記事書いています。
 また、ドラフト候補の動画とみんなの評価サイト(player.draft-kaigi.jp)では、みなさまがおすすめするドラフト候補選手が、これまでに3万5千人以上登録されておりその評価も行っています。

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