中日は6月11日、名古屋市東区の球団事務所でスカウト会議を開き、ドラフト候補選手を約220人から約150人に絞り込んだ。米村チーフスカウトは打者の指名の必要性に言及し、上武大・ブライト健太選手などを注目していると見られる。
いい打者を取っていかないと
スカウト会議では約220名から約150人へと絞り込んだ。それほど多く絞っていないことから、基本的には進路の情報を反映し、大学や社会人に進む選手を削ったのではないかと見られる。
会議後に米村チーフスカウトは「いい打者を取っていかないといけないと思っている」と話した。中日は昨年にAクラスに入り、今年は更に上を狙っていたものの、現在は借金2で4位となっている。与田監督の方針により投手陣を強化してきたが、防御率は2.95と12球団トップだが、ホームランは32本でリーグ最少、チーム総得点も171点と少なく、打力不足が要因となっている。
2018年に根尾選手、2019年に石川選手をドラフト1位指名し、根尾選手が1軍の戦力になってきているが、他球団にいるような若手の主軸打者が少ない。高校生を中心に指名してきた打者が育つにはもう少し時間がかかりそうで、佐藤輝選手や牧選手のようなすぐに活躍できるバッターを指名したいところだろう。
そこでスカウト会議でも急浮上したと見られるのが、上武大のブライト健太選手だ。今春のリーグ戦で3本塁打、打率.380、12打点の活躍でMVPとなり、全国の舞台である大学野球選手権でもこれまで2本塁打、9打数6安打4打点の活躍を見せた。バンテリンドームで活躍するため球団は肩や足を重視するが、ブライト選手は50m5.8秒の足もあり肩も強い。
米村チーフは「方針はまだ決まっていない」と話し、投手中心、野手中心といった方針はまだ決めていないと話した。佐藤選手や牧選手、楽天の早川投手などを見て与田監督がどのように思っているかだが、2020年のドラフト会議では与田監督が即戦力投手の獲得を熱望し、地元の高校生・高橋宏斗投手の指名もスカウトが「即戦力です」と説得しての指名となった。しかし、高橋投手、2位の森博人投手とも即戦力とはならず、スカウト陣も与田監督に配慮する形にはなりそうだだ。
今年も投手は高校生に良い選手が多く、野手は昨年ほど即戦力と見れる選手は多くないが、2年続けて高校生投手の1位指名がやや可能性が低いかもしれない。与田監督が即戦力投手志望となれば、筑波大・佐藤隼輔投手や三菱自動車倉敷オーシャンズの廣畑敦也投手が、野手志望となればブライト選手などが1位候補に上がってくるかもしれない。


乗りに乗っている外野手の評価がうなぎ上りだ。ブライトは大学選手権初戦でドラフト上位候補の西日本工大・隅田から決勝本塁打を放つと、準々決勝・東農大北海道戦でも特大ソロを含む2安打2打点。3試合で9打数6安打4打点と一躍全国区に躍り出た。会議を終えた米村明チーフスカウトは「いい打者を取っていかないといけないと思っている」と話し、その候補の一人にブライトが含まれるようだ。
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