東北楽天のドラフトの狙い(2020)

2020年の東北楽天のドラフト戦略を分析します。

東北楽天のドラフト指名の特徴と傾向

〇タイプ:バランス型、1位は高校生優先
〇監督:内野手出身
〇決定者:石井一久GM
〇補強ポイント:主軸打者、先発投手、リリーフ投手

東北楽天の指名の特徴

東北楽天は2011年までは社会人、大学生の1位指名が多く、投手を中心としたチーム作りに向けて1位で即戦力投手の指名をしていた。しかし、それが思うような結果が見られず、高校生の指名に舵を切る。2012年から2016年は高校生を指名すると、松井裕樹投手、藤平投手などが1年目から結果を出した。2017年、2018年、2019年は大学生、社会人の1位指名となったものの、1回目の入札は清宮幸太郎選手、藤原選手、佐々木朗希投手と高校生を指名している。

また、上位で投手を指名しており、2009年以降でドラフト1位で野手を指名したのは2015年のオコエ瑠偉選手1人だけだったが、星野氏の後任としてGMに就任した石井氏は、補強ポイントを分析し、2018年は外野手の補強を位置付けて藤原恭大選手を指名し外れ1位でも辰己涼介選手を指名、2位でも捕手を指名すると、2019年は内野手の補強をテーマに小深田大翔選手、黒川史陽を指名している。

これも東北楽天は、FAで選手を獲得する球団へと変わった事が大きく、岸投手や浅村選手、今江選手、鈴木大地選手などを獲得し、ドラフト会議では将来性を見て指名ができるようになった。また、涌井投手なども獲得しており、特に即戦力の投手は、FAなどで現役の実績のある選手を獲得する。チームも昨年に3位となり、フロントとして結果も見せた。

長島スカウト部長がファームディレクターに就任し、スカウト部長に後関氏が就任して、育成部門はこれまでの流れを継続している。

フロント・監督のビジョン

三木監督は正直、どんなビジョンを持っているのかなどは不明だが、「総合的にチームワーク力がある、いろんなつながりのあるチームにしたい。」と話しており、繋ぐ野球というのがポイントとなるか。昨年は楽天の2軍監督をしており、2軍の選手を見てきている事から、これまで獲得してきた若い選手を1軍に起用してくると思うが、これまでも三木谷オーナーが現場に介入してきたり、石井GMと平石監督との経緯を見ると、フロントが主導してチーム作りを進める事になる。

石井GMは、昨年のドラフト会議では直前まで迷い地元でエース候補の佐々木投手の指名をした。しかしその前には「あまりにデメリットがあれば野手を取りたい。もう少し議論をしないと」と話し、佐々木投手の指名が多くなる場合には野手の指名を示唆していた。外野手は戦力充実となったが、内野手、特にショートを守れる選手が課題で、DeNAに1位指名された森敬斗選手も名前が挙がっていた。結果的にショートの選手を指名したが、2位でセカンドの黒川選手を指名するなど、まだ内野手の補強には満足はしてい無さそうだ。

エースの則本投手は7年程度の長期契約を結ぶことができ、メジャーなどへの流出は無くなった。しかし先発ローテの一角だった美馬投手がFAで移籍をし、投手の補強の重みが強くなったかもしれない。それでもその穴は今後もFAで埋めてくることになりそうで、ドラフト会議ではこれまで通り、1位は高校生の指名、投手だけでなく野手もという路線は変わらなさそうだ。

チーム状況

2019年の戦力と将来予想(投手)

  2019年 5年後予想
先発 辛島 航(29)9勝6敗
美馬 学(33)8勝5敗
石橋良太(28)8勝6敗
則本昂大(29)5勝5敗
岸 孝之(35)3勝5敗
塩見貴洋(31)3勝1敗
弓削隼人(25)3勝3敗
辛島 航(34)
石橋良太(33)
則本昂大(34)
松井裕樹(29)
弓削隼人(30)
瀧中瞭太(29)
藤平尚真(26)
中継ぎ 森原康平(27)64試合29HP
青山浩二(36)62試合18HP
高梨雄平(27)48試合16HP
津留崎大成(27)
森原康平(32)
高梨雄平(32)
近藤弘樹(29)
抑え 松井裕樹(24)68試合38S 酒居知史(33)
2軍
(3年目まで)
藤平尚真(21)117.2回
菅原 秀(25) 59.0回
渡辺佑樹(24) 51.1回
近藤弘樹(24) 48.2回
小野 郁(23) 38.0回

昨年はエース格の則本投手、岸投手が故障などで不調だったが、辛島、美馬に石橋の台頭でAクラス入りした。則本は長期契約を結び、エース流出の可能性は低くなったが、ずっと投げ続けている影響もそろそろ出てきている。先発投手陣は25歳以降の選手ばかりとなっており、安楽智大投手や藤平尚真投手の伸び悩みや最近のドラフトで投手をあまり指名していない影響は見えている。その中でリリーフエースだった松井裕樹投手を先発に転向させる決断を見せた。岸投手も36歳になり、松井投手と共に柱となる投手を獲得し育てていく必要がある。

若きリリーフエースとして松井がしっかり投げていたが先発へ転向する。中継ぎは外国人と共に、獲得した牧田投手、ベテランの青山投手、森原・高梨といった社会人野球出身の投手が奮闘を見せるが、リリーフは毎年、成績を残し続けるのは難しいポジションでもある。特に松井投手が抜けた事でリリーフ陣の負担のバランスも変わってきそうで、獲得した酒居投手を含めて勝ちパターンを探っていく必要があり、抑えのエースが確立できなかった場合は、補強ポイントとして残ってくる。

また、これまで先発で期待をしてきた安楽投手なども、松井投手と変わってリリーフ転向を視野に入れる時期になってくる。軸となる若きエース、リリーフエースとかなりの力量を持った投手の指名が必要だ。

2019年の戦力と将来予想(野手)

守備 2019年 5年後予想
捕手 堀内謙伍(22) 65試合、打率.156 太田光(28)
一塁手 銀次  (31)141試合、打率.304 内田靖人(29)
二塁手 浅村栄斗(29)143試合、打率.263、33本 浅村栄斗(34)
三塁手 ウィーラー   117試合、打率.243、19本 茂木栄五郎(30)
遊撃手 茂木栄五郎(25)141試合、打率.282、13本 小深田大翔(29)
外野手 島内宏明(30)133試合、打率.287、10本
辰己涼介(23)124試合、打率.229
田中和基(25) 59試合、打率.188
島内宏明(35)
辰己涼介(28)
小郷裕哉(28)
オコエ瑠偉(27)
2軍・捕手 石原 彪(21) 56試合、打率.240 【予想打順】
1辰己
2小郷
3茂木
4浅村
5内田
6西巻
7オコエ
8太田
9島内
2軍・内野手 西巻賢二(20)106試合、打率.233
内田靖人(24)100試合、打率.258、14本
山崎 剛(24) 70試合、打率.251
松本京志郎(20)79試合、打率.232
2軍・外野手 卓丸  (22) 78試合、打率.280
フェルナンド  (27) 74試合、打率.248
小郷裕哉(23) 60試合、打率.239
オコエ瑠偉(22)46試合、打率.295

捕手はついに嶋捕手をリリースした。堀内選手が最も出場したものの65試合にとどまり、太田、足立、山下などが交代でマスクを被る状況。ただし打撃面でなかなか結果を残せなかった。今年は本格的に正捕手を掴む選手を期待したいが、もし昨年と同じ状況であれば1位で捕手の指名をしてくるかもしれない。

内野手は銀次、浅村、茂木の3人で打撃も守備もある一流の内野陣を形成する。ただし、サードで外国人を起用も物足りない成績だった。ショートに小深田選手を入れ、茂木選手をサードに回し、内野陣固めに入ったが、小深田選手がしっかりと結果を残せるかがポイント。1位指名をして結果が残せないと、フロント陣の厳しい状況に追い込まれるかもしれない。

また期待の内田選手、ユーティリティながら結果を残す渡邊佳明選手がおり競争状態も作りだせている。ただし遊撃手を中心に走はまだ薄く、大卒、社会人卒の内野手の獲得は今年もありそうだ。また黒川選手、沢野選手を獲得し、次世代の内野陣の獲得に着手を始めた。今年も高校卒の内野手の指名をしてくると思う。

外野手は辰己、小郷の加入で選手層がかなり厚くなった。辰己選手はまだ成績が物足りないが、島内が安定し、田中、オコエ、小郷、そして外国人で争っていく。ただし、日本人の主砲というのは、かなり前からの懸案事項だった。2017年の岩見雅紀選手の後に、大砲タイプの選手の指名が無く、和製大砲の獲得を狙ってくるかもしれない。

2020年のドラフト指名候補は?

2020年の補強ポイント

  投手 捕手 内野手 外野手
チーム・監督の方針から
2020年戦力から
将来のチームから
2019年指名選手から

投手はリリーフタイプの右腕は多く獲得できているが、先発の軸として考えると、まだ補強ポイントと言える。特に左右のこだわりはない方針だと思うが、左の投手の層はかなり薄く、枚数を増やして行きたい。

捕手は今年の状況次第で大学・社会人卒の選手の指名が考えられる。内野手は小深田選手次第で即戦力遊撃手、若手では今度は右打ちの選手を獲得しそうだ。外野手は大砲タイプの選手に限って即戦力の指名が予想され、次世代の若い選手の指名が今後増えて行きそうだ。

1位、2位指名予想

  1位 2位
パターン1 中森俊介 明石商 内山壮真 星稜
パターン2 西川僚祐 東海大相模 佐藤宏樹 慶応大
パターン3 佐藤輝明 近畿大 早川隆久 早稲田大

パターン1は高校生の1位指名とこれまでに近い形、そして今年はエース投手を狙うとして明石商・中森投手を指名するもの。また2位では、即戦力遊撃手がなかなかいない中で、捕手の内山選手を遊撃手として評価して指名する。

パターン2は念願の和製大砲候補を1位指名、右の大砲として西川選手を選択する。また2位では左腕で東北出身の佐藤投手を評価したもの。パターン3は大砲候補の佐藤選手を指名、外野手の一角、またはサードに起用し強力内野陣を作っていく。2位では左腕投手の中から早川投手を評価して指名したもの。

東北楽天ゴールデンイーグルスのドラフト指名予想

2020年ドラフト指名予想


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