北海道日本ハムは6月8日に、東京都内で今年3回目となるスカウト会議を開催した。今秋のドラフト会議に向け、候補選手を約120名に絞り込み、トップ評価となる1位指名候補を12名リストアップ、地元・北海道登別市出身で健大高崎の剛腕・石垣元気投手や、複数球団が注目する創価大学のスラッガー・立石正広内野手らが名を連ねた。
「ランクが違う」– 1位候補筆頭は地元出身の剛腕・石垣元気投手
スカウト会議で高く評価されたのが、健大高崎(群馬)の石垣元気投手だった。大渕隆GM補佐兼スカウト部長は、そのポテンシャルについて「ずっと名前は上のところにいる。常時150キロ以上放れるのは、ちょっとランクが違うのかな」と話し、頭一つ抜き出ていると評価した。
石垣投手は北海道登別市の登別西陵中学校出身で、地元が生んだスター候補であり、将来エスコンフィールドのマウンドで躍動する姿は、北海道のファンにとって最高の夢物語となる。高校世代ナンバーワンとも評される剛腕が、故郷の球団のユニフォームに袖を通すことになるのかが注目される。
「安定感出てきた」– 競合必至のスラッガー・立石正広も高評価
野手の1位候補では、創価大学の立石正広内野手が筆頭候補に挙がった。すでに阪神や広島なども上位候補としてリストアップしており、競合必至と見られる逸材に対し、大渕GM補佐兼スカウト部長も「昨年の秋より良くなっている。打撃にちょっと波があったのが、安定感が出てきた。二塁守備もできる」と成長した点を挙げた。
立石選手は今春のリーグ戦で打率.400、5本塁打、16打点という圧巻の成績をマークしており、確実性と長打力を兼ね備え、内野の複数ポジションをこなせる万能性は魅力で、多くの球団が1位指名での獲得を目指すことになる。
エスコン時代のドラフト戦略、第3回会議で具体化
ドラフト候補全体としては約120人のリストを作成した。栗山英樹CBOは、「才能の取りこぼしがないように」と語るように、新庄剛志監督の下で新たな時代を築くファイターズの未来を担う逸材を、慎重かつ大胆に見極めようとする姿勢を示した。
日本ハムは「才能」を最優先し、その年のナンバーワンの選手を1位指名し続けてきた。そしてドラフトの下位や育成指名についても、「とにかく才能を確認したい。取りこぼしがないように、みんなで丁寧に見て考えていきたい(栗山CBO)」と話すように、才能ある選手を逃さない姿勢で指名をしている。特に、これから最後の夏を迎える高校生については、「高校生は予選(夏の地方大会)で負けちゃったら終わりなので。見るタイミングとか、1カ月で全然変わる」と話した。
地元北海道から10名をリストアップ!北海学園大トリオら上位候補も
また地元・北海道関連の選手は約10名をリストアップした。その中には石垣投手も含めて、ドラフト1位候補注目される北海学園大学の最速159キロ右腕・工藤泰己投手ら5名程度が上位候補に入っているという。
工藤投手は大学球界屈指の剛腕として注目を集める存在。さらに同大学からは高谷舟投手、木村駿太投手の名前も挙がっている見込み。また仙台大の外野手・平川蓮選手は札幌国際情報高校出身で、父は北海高校の平川敦監督である。地元選手を獲得して活躍することは、ファン層の拡大や地域との結びつきに直結する。北海道日本ハムが「地の利」を活かし、地元の逸材を射止めることができるのかも注目される。
これからは大学野球選手権や都市対抗野球のほか、夏の甲子園大会が全国で行なわれ、スカウトにとって情報を取りこぼさないようにするためには最も大変で重要な仕事となる。




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