2012年春の早慶戦が行われ、1戦目は慶大が制した。主役はバッテリーだった。
捕手の阿加多直樹選手は4打数4安打、延長10回の打席では早大・有原航平のインコース低めの145kmのストレートを振り抜くと外野の間を抜ける3ベースヒット、その後決勝のホームを踏んだ。これで打率は.452で一気に首位打者に躍り出た。
投げては故障で出遅れていた福谷浩司投手が先発すると、ストレートは最速148km/hをマークした。8回には1アウト2,3塁のピンチで2三振を奪いピンチをしのぐ気迫のピッチングだった。9回には先頭の杉山翔大に2ベースを浴びたあと捕逸、四球でピンチを広げ、不運な内野安打で1点を失い降板、リリーフした竹内大助が連続タイムリーを浴びて同点に追いつかれた。
8回の投球で疲れが出たことや、早慶戦の重圧、完封の意識、そして故障による体力的な面などいろいろ原因は考えられるものの、8回1/3を投げて6安打5奪三振、四死球3、本来の福谷投手のピッチングが帰ってきた。7回には規定投球回を越え防御率トップに躍り出た。結局9回の自責点3で防御率は1.78のリーグ5位となったが、故障で苦しみながらも結果を残すのはさすがドラフト1位候補という感じ。この投球に阪神・平塚スカウトも「力を入れた時は、いいボールが来ている」とコメントし改めて評価しなおした。
7回には横尾俊建選手が大学初本塁打を放った。日大三時代のチームメイトだった吉永健太朗からはヒットは打てなかったが、代わった丸山投手から神宮の一番深い所にスタンドイン、一時はダメ押しとも思えた貴重なホームランだった。
慶大が意地を見せた一戦、これぞ慶早戦という一戦だった。
ニッカンスポーツ・コム:2012/06/03
伝統の早慶戦は延長10回の末、慶大が先勝した。5番阿加多直樹捕手(4年=慶応)が勝ち越しの足掛かりとなる三塁打など、4打数4安打の固め打ち。打率も4割5分2厘と急上昇し、暫定首位打者に躍り出た。すでに3季ぶりVを決めている早大は、完全優勝に王手をかけられなかった。
正直、狙っていた。「見えてきました! 打数が少なかったし、ちょっと打てば上がるぞと言われたので」とは首位打者のこと。阿加多は10回、145キロの直球を右中間三塁打とすると、次打者の決勝打で生還。勝ち越しのホームを踏んだほか、4安打1四球と全5打席で出塁した。打率は3割7分から4割5分2厘に上昇。明大・高山、小室(4割1分7厘)を退け、リーグ1位に躍進した。 全文はニッカンスポーツ・コムのサイトをご覧ください。
デイリースポーツ:2012/06/03
今秋のドラフト1位候補右腕、慶大・福谷が完封目前で今季初勝利を逃した。九回に不運な内野安打などで3失点し、同点を許した。それでも、最速148キロの直球で三振を奪うなど「今季の中で一番よかったと思う」と手応え。視察した阪神の平塚スカウトも「力を入れた時は、いいボールが来ている」と評価していた。
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