阪神から育成ドラフト1位指名を受けた東京農業大学北海道オホーツクの神宮僚介投手(22)が、北海道網走市の同大学キャンパスで指名あいさつを受けた。大学3年時にトミー・ジョン手術を経験したサイドスロー右腕は、「育成でも強いぞ、というのを見せたい」と下克上を宣言。現在は練習グラウンド周辺での「クマ出没」という異例の逆境とも戦いながら、大学最後の全国舞台となる明治神宮大会へ調整を進めている。
トミー・ジョン手術乗り越え、平均5キロアップ
阪神の球団スカウトから指名あいさつを受けた神宮僚介投手。大学2年時にサイドスローに転向し、3年時には右肘内側側副じん帯再建術(トミー・ジョン手術)を受けるなど、苦難の道を歩んできた。しかし、術後のリハビリと練習を経て、平均球速は約5キロもアップ。最速148キロの直球と、ツーシーム、スライダー、カットボール、フォークと多彩な変化球を操る投手に成長した。
その成長ぶりを阪神スカウトも高く評価。
阪神・葛西稔スカウト:「コントロールが安定している。あんまり四球で自滅するようなタイプではなく、しっかりコントロールできる。厳しいところに投げられるので、そういうボールの軌道は素晴らしい」
“クマ出没”の逆境も「一つ一つ丁寧に」
チームは大学最後の集大成となる明治神宮大会(14日開幕)への出場を決めたが、思わぬ敵と直面している。練習拠点のある網走市でクマの目撃情報が多発しており、大学は野球部以外の屋外活動を自粛。野球部も、指導陣がクマ撃退講習を受け、練習中はクマスプレーを携帯。個人練習は禁止され、練習も日没までと、大きな制約の中での調整を余儀なくされている。
それでも神宮投手は「許可をいただいて、非常にありがたい。できるメニューは限られてくるけど、一つ一つ丁寧にやっていくだけ」と冷静に語る。10月の代表決定戦では7回11奪三振1失点の快投で最優秀選手賞を獲得したエースは、逆境をものともしない。
育成から下克上へ「結果を出したい」
今ドラフトで指名された同期では唯一の全国大会出場となる。「自分が結果を出して、育成でも強いぞ、というのを見せたい」。まずは神宮の舞台で日本一を目指し、神宮が北の大地から神宮へ、そして甲子園へと羽ばたく。
神宮 僚介 プロフィール
- 氏名:神宮 僚介(じんぐう りょうすけ)
- 所属:東京農業大学北海道オホーツク 4年
- 出身:桐生第一高校
- ポジション:投手
- 投打:右投右打
- 身長・体重:178cm・81kg
- 主な特徴や実績:2025年育成ドラフト1位(阪神)。最速148キロのサイドスロー右腕。大学2年時にサイド転向、3年時にトミー・ジョン手術を経験。4年秋の北海道学生野球リーグで最高殊勲選手賞。









コメント