阪神タイガースからドラフト1位指名を受けた創価大学の立石正広選手(22)が21日、東京都内のホテルで入団交渉に臨み、契約金1億円プラス出来高5000万円、年俸1600万円(金額は推定)で仮契約を結んだ。3球団競合の末に虎の一員となったアマ球界No.1スラッガーは、元バレーボール日本代表の母を持つサラブレッドとして「親子五輪出場」という夢を掲げるとともに、新人王と打点王の獲得を宣言した。
母はバルセロナ五輪代表、史上初の「親子五輪」へ
仮契約を終えた立石正広選手はまず最初に、オリンピックのことを話題にした。「オリンピックは特別ですし、お母さんに並びたい」。母・郁代さん(旧姓・苗村)は、バレーボール女子日本代表として1992年バルセロナ五輪に出場した経歴を持つ。オリンピアンを親に持つプロ野球選手が五輪に出場した前例はなく、野球競技が復活する2028年ロサンゼルス五輪で日本代表入りすれば、球界初の快挙となる。
「結果を出し続ければチャンスはある。必然的にそうなれれば」。偉大な母の背中を追いかけ、日の丸を背負う未来を見据えている。
狙うはミスター以来の快挙「新人打点王」
そして1年目の目標について触れた。「新人王は数少ない選手しか獲れない。そこは目指したい」と語り、さらにこだわりの数字として挙げたのが「打点」だ。「チームの勝利に貢献できる時に打てた方がうれしい」と話す。
もしルーキーイヤーに打点王を獲得すれば、1958年の長嶋茂雄氏(巨人)以来、史上2人目の快挙となる。「長嶋さんしかいないということはとんでもないこと。それを目指せるくらい時間を費やして野球をしたい」。ミスター・プロ野球以来の偉業達成に照準を合わせ、すでにドジャース・大谷翔平モデルのバットを発注するなど準備に余念がない。
「春男」の本領発揮へ、開幕スタメン&2桁弾誓う
立石選手は今春のリーグ戦で5本塁打、16打点の2冠でMVPに輝いた実績を持つ、得意の「春」に強い選手だ。「開幕戦に出たいのは一番。そこで勢いに乗って、1年間ケガなく出続けるのが理想」。春先からエンジン全開でチームのスタートダッシュに貢献する構えだ。
「2ケタ本塁打を目指して頑張りたい」。走攻守そろった大型内野手が、甲子園の浜風を切り裂き、新たな歴史を刻む。
ドラフト会議では3球団が1位指名した目玉選手で、即戦力として1年目から活躍の期待を受けるのは間違いない。しかし、1年目からバリバリ活躍をするのは、いまのプロ野球のレベルでは難しい。それでも来年は1年間やってみて、そこで見つけた課題をベースに2年目、3年目で挙げていくのが良いと思う。
春が強いということは、逆に言えば体力的にまだ課題があるということ。将来的にフルシーズンで活躍ができる選手になるために、長い視点で見ていきたい。
立石正広 プロフィール
- 氏名: 立石 正広(たていし・まさひろ)
- 所属: 創価大学(22歳)
- 出身: 山口県防府市(高川学園高卒)
- ポジション: 内野手(三塁手・二塁手)、外野手
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 180cm、86kg
- 主な特徴や実績: 世代No.1と評される長打力が魅力の右の大型スラッガー。大学リーグ通算15本塁打。3、4年時に大学日本代表選出。母は元バレーボール五輪代表。2025年ドラフト会議で3球団競合の末、阪神タイガースから1位指名を受ける。










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