今年の捕手のドラフト候補は?

プロ野球ニュース

 

 ◆各球団の捕手事情

 阪神が城島捕手、藤井捕手のケガにより、また東京ヤクルトも相川捕手のケガにより捕手の層の厚さが一時期話題となった。強いチームには軸となる正捕手がいるが、その捕手がケガをするとチームが傾く事もある。幸い阪神は小宮山捕手が、東京ヤクルトは中村捕手が頑張りチームの好調を維持している。

 捕手は育てるのが大変なポジションであり、育成期間中はチームが弱くなるリスクを覚悟して育てなければならない事が多く、上位を争うチームではFAで他球団の正捕手を獲得することも多い。中日は横浜から谷繁を、福岡ソフトバンクは埼玉西武から細川を、東京ヤクルトは横浜から相川を獲得している。また、自前で捕手を育てる事ができた巨人や北海道日本ハムは、捕手の悩みがなく投手、主軸打者の補強ができている。しかし、正捕手が長く続くと控えの捕手がなかなか育たず、正捕手がけがをした時には大きな不安を抱えるというジレンマもある。

 ここ数年下位に低迷する横浜DeNAは千葉ロッテから橋本捕手を獲得したもののケガで活躍することなく、武山や黒羽根などに経験させて捕手を育てていたのだが、昨年最もマスクをかぶった武山捕手を埼玉西武にトレードで出しFAで巨人から鶴岡捕手を獲得するなど、方針のブレが明らかとなっている。下位球団でもじっくりと捕手を育成する事はむずかしい。

 そこで注目されるのは、やはりドラフトでの補強となります。今年は捕手の候補が比較的多く、一覧にまとめました。

 

◆今年のドラフト会議で注目されている捕手の候補

 リード面で即戦力として期待出来そうなのが、富士重工・唐谷捕手。大学、社会人とチームの軸となり大きな大会を経験してきた。肩もありチームに入ってすぐに活躍できるという強さがある。JR東日本の石川選手も強豪チームの要として活躍していて、経験を生かしてプロでも早くから活躍できそうな雰囲気がある。

 打力のある捕手では、東海大・伏見捕手が高校時からチームの主軸として長打も打てるとして注目され、大学では常勝・東海大を背負い、菅野智之などの投手をリードしてきた経験と自信を手に入れている。東京国際大・沖野選手は昨年の大学選手権でも見せた長打力が魅力、横浜時代に谷繁を見出した古葉監督の指導もあり楽しみな選手だろう。慶大・阿加多選手はヒットで出塁し走れる捕手でもある。福谷浩司、竹内大助といった投手陣をリードしており、経験もある。

 チームの主軸として育てたいならば、龍谷大平安の高橋選手、甲子園でのホームランが印象的で高校トップクラスの長打力がある。春にケガをしながらもホームランを放つなど実力は健在。ただし本人は捕手を希望しているものの打撃や足を生かして外野手としてプレーすることもあり、プロでもそうなりそうだ。

 

◆捕手を1位指名する意味

 貴重な捕手の補強として挙げられるのは、北海道日本ハムが2008年のドラフト会議で東洋大・大野奨太捕手を単独1位指名したこと。その後は捕手の補強を考えなくても良くなった。スカウトがチェックしてこの捕手は間違いないという選手がいれば自信を持って1位指名し、その後も信頼しつづけてチームの正捕手として育てる事が大切だろう。大洋・谷繁選手や巨人・阿部選手も1位指名、西武・細川捕手も自由枠での入団だった。リード面で批判を受けながらも1位指名という信頼から使われ続け正捕手となった。下位指名では信頼度が違い、少し失敗すると見限られてしまう事もある。

 今年のドラフトは東浜巨投手や、大谷翔平投手、藤浪晋太郎投手などに人気が集まりそうで、逆に捕手の逸材を単独指名、または外れ1位で指名するチャンスがある。捕手をめぐる各球団の方針や駆け引きにも注目したい。

 

区分チーム選手名特徴短評評価
高校生龍谷大平安高橋大樹3年 180cm75kg 右右昨夏の甲子園でもホームランを放ったスラッガータイプの捕手特A
大学生慶大阿加多直樹4年 182cm82kg 右左一般受験で慶大入学。巧打とリードで大学全日本にも選出
大学生東海大伏見寅威4年 182cm83kg 右右1年からマスクをかぶりホームランも打てる捕手A
社会人住友金属鹿島鮫島哲新2年 181cm91kg 右右鹿児島工、中大とドラフト候補として注目された大型捕手A
社会人富士重工唐谷良磨2年 176cm75kg 右右正捕手として桐蔭横浜大を全国常連チームにし、社会人でも
1年目からチームの要として認められた即戦力
A
社会人セガサミー佐藤貴穂2年 178cm80kg 右右東洋大時代に阪神が注目した。強肩、強打の捕手B
社会人JR東海白川貴一2年 173cm75kg 右左小柄ながら九産大時代に大学屈指の強肩として注目されたB
高校生智弁学園中道勝士3年 170cm74kg 右左小柄だが長打力があり、エース青山を巧リードB
大学生上武大南雲勇毅4年 185cm83kg 右右キャッチングとリードに定評あり。大型で当たれば飛ぶB
大学生東洋大岡翔太郎4年 181cm76kg 右右セカンドまでの送球が1.85秒とトップクラス、チャンスに強いB
大学生東京国際大沖野哲也4年 185cm80kg 右右昨年東京国際大を全国ベスト4まで勝ち進めた立役者
高校通算48本塁打だった長打力は大学でも発揮!
B
大学生中央大飯田大祐4年 181cm78kg 右右常総学院時代からプロ注目、巨人との練習試合で本塁打B
社会人JR東日本石川修平3年 180cm78kg 右右法大では主将、JR東日本でも常に優勝を争うチームに貢献B
BC新潟アルビレックス平野進也2年 175cm77kg 右右武蔵大でベストナインにもなった。打撃センスの高い捕手B

 この他の捕手のドラフト候補一覧はこちら

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コメント

  1. 私は、谷繁、城島、里崎、阿部らは、特別だと思いますね。リードが本当にいいと思うのは谷繁くらいです。総合的には谷繁ですかね、現役捕手では。

    将来楽しみなのは、楽天・嶋、ヤクルト・中村、広島・白浜、磯村、ソフト・山下、DeNA・高城が楽しみです。

    私は、伏見が強肩と表現しているのは、アマチュア野球くらいなので、肩が普通なら細山田のようにプロでは中々かもと思いますね。

  2.  打撃の良い捕手はプロに入ると打撃を活かすために、という理由で外野やファーストになってしまうことも多いですね。こういうことをやっているから、捕手は8番打者になってしまい、特にセリーグでは8番9番が打席のイニングは得点が入らなくなってしまいます。
     巨人・阿部や阪神・城島、中日・谷繁など打てる捕手がいると打線も一気に厚くなりますね。逆に、横浜や広島はどうしても得点力の弱い打線になってしまいます。もちろん捕手は肩やリードが重要ですのでまずはその能力を見極めた上で、伏見捕手などは打てる捕手として、捕手として我慢強く育ててほしいですね。

  3. 私は、補強ポイントの最優先は、捕手と思います。理由は、FAや外国人でのレギュラー捕手の補強が難しいからです。

    1チームに大体8人の捕手が必要として、一人12年前後とすると3年に一人程度ドラフト指名が必要で、世代の異なるレギュラー捕手、控え捕手が必要と考えます。

    日ハムは、大野の後も、2人捕手を指名しており、日ハム、ヤクルト、広島は、私の理論に近いペースでドラフト指名しています。

    私のブログでは、来年以降のドラフト捕手候補一覧を作成していて、複数年で優先順位を検証しています。捕手は、重要性から考えれば上位指名すべきだと私は考えています。チェックポイントは、まずは肩、リード。肩は天性、リードは頭脳と投手とのコミュニケーション力と考えます。次に統一球の影響でキャッチングの重要性が増すと予想します。最後に打撃でしょう。