センバツ高校野球大会、済美vs広陵の試合、広陵は1番にピッチャーの下石涼太選手を入れてきた。
初回、済美の安楽智大投手が150km/hを記録するストレートで押してかかるが、下石投手もストレートにタイミングを合わせて粘ると四球を奪った。バントで2塁に進んだ後、セカンドゴロでホームもうかがうような勢いを見せた。2打席目も四球を奪って出塁した。4打数ノーヒットも価値のあるトップバッターだった。
また投げても最速142km/hを記録、6回に四球から4番安楽にタイムリー2ベースを打たれるなど3失点もその後は抑えると9回3失点で延長戦に入る。延長13回裏に1アウト満塁、カウント3-2となり投げたストレートは打ち取ったがボールが一塁手の手につかずサヨナラ負けとなった。
219球を投げて11安打12奪三振3四死球で4失点、1年生で遊撃手に抜擢され、2年生ではセカンドを守った。この日も自らの守備でピンチを切り抜けるなど、フィールディングの良さを見せた。素晴らしい投手だったし、野球センスの高さを示した。おそらく内野手としてプロで活躍する選手になるだろう。そんな予感がする。
延長13回1死満塁、マウンドの広陵(広島)・下石はホームで封殺する狙い通りにゴロを打たせた。しかし打球は一塁手の坂田のミットからこぼれ、サヨナラ負け。
それでもエースは「ランナーをためた自分が悪い」と言った。緩急と小気味いいテンポを武器に219球。12三振を奪った充実感よりも「勝負どころで甘い所にいった」と悔しさが上回った。味方打線は9回に追い付いたが、延長10回無死満塁を生かせないなど、あと1点が遠かった。投手としては異例の1番打者として無安打だった下石は「打ち負けずにいこうと思ったが(安楽は)いい球だった。夏まで、一からやり直したい」と前を向いた。
みるみる涙があふれた。延長13回1死満塁。広陵・下石涼太は219球目の直球で狙い通りにゴロを打たせたが、打球は一塁手の手につかず、三塁走者が生還(記録は内野安打)。「仲間に支えられて…。みんな『思い切り(右腕を)振れ』って言ってくれて…。ホント申し訳ない…」。あっけない幕切れに、しゃくりあげるしかなかった。
この日の最速は延長10回に記録した142キロ。元々は遊撃手で、本格的な投手転向は昨秋。それだけにスタミナが課題だったが「200球投げても全然しんどくなかった」。被安打11ながら要所を締め、12奪三振と気迫を見せた。
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