延岡学園、全国制覇にあと一歩届かずも、堂々の準優勝

延岡学園, 上米良有汰, 横瀬貴広, 奈須怜斗, 井手一郎

 夏の甲子園大会、延岡学園は決勝戦で3点を先制したものの逆転で敗れ、全国制覇に後一歩届かなかった。

 準決勝で公式戦初先発し完封勝利を挙げた横瀬貴広投手が決勝でも先発、持ち前の真上から投げるストレートのキレがあり、4回まで無失点を続けた。しかし5回にホームランを浴びるとその後は味方のエラーも重なりランナーを背負った場面で降板する。2番手の井手一郎投手が同点となりヒットを許し、3番手の奈須怜斗投手も7回に1点を失うが粘りの投球を見せる。9回にはノーアウト1,2塁とチャンスを作ったものの、相手の2年生エース・高橋光成投手の気迫の投球に得点を奪う事はできなかった。

 チームでは昨年秋から180cmの左腕・上米良有汰投手がエースとしてプレーしてきたが、宮崎大会直前に骨折で離脱し、それを補うべく、横瀬投手、奈須投手、井手投手が急成長を遂げた。

 またこの日初回のファーストアウトを取ったセカンドの梶原選手は準決勝で肉離れを発症していたが、「梶原がいることでリズムが生まれる」と1アウトだけ出場し、セカンドゴロを捌いて交代した。チームワークが生んだ準優勝だった。

 熱血監督と言われる重本監督、素晴らしいチームだった。残すは国体のみとなったチームワーク抜群のチーム、思い切りプレーして欲しい。

  悲願達成まで、あと一歩だった。延岡学園の背番号1の横瀬貴広は、試合終了直後に「ごめんな」と号泣する重本監督から抱きしめられると、こらえ切れずにもらい泣き。ただ、その後は「思い切り楽しめた。悔いはない」と、すっきりした表情で振り返った。

 最後の最後で“3本の矢”が折れた。4回に薄田凌の適時打などで3点を先制したが、前日(21日)の準決勝・花巻東戦で完封した横瀬が、直後の5回に8番打者に被弾。さらに自らの失策などで走者をためると、代わった井手一郎が2点を奪われ、同点とされた。7回には、3回戦・弘前学院聖愛戦で先発し、8回無失点の奈須怜斗が決勝タイムリーを許した。

 宮崎大会前に左肘頭(ちゅうとう)部骨折で離脱したエース左腕・上米良(かんめら)有汰(3年)は、三塁側アルプス席から応援。連日、6時間近く相手校をビデオで研究するなど投手陣を支え続けた元エースは「よく投げた。ここまで連れてきてくれて感謝」と涙した。

 指揮官が強攻策に懸けたのは1点を追う9回だった。先頭・浜田が死球で出ると、田中が中前打して無死一、二塁。だが後続が左飛、捕邪飛。最後の打者・奈須も空振り三振に終わった。3回に試みた2度の送りバントがともに失敗。「相手はとても守備が鍛えられていた」と重本監督はうつむいた。

 もう一つの後悔は継投策だった。「引っ張りすぎた」と指揮官が振り返ったのは、前日に花巻東を完封した先発・横瀬の交代機。3点を先制した直後の5回、前橋育英の8番・田村にソロアーチを浴びた後も続投させたが、裏目に出た。2失策も絡んで無死一、三塁のピンチで2年生・井手に代えたが、同点に追い付かれた。7回には3番手・奈須が勝ち越しを許し、宮崎大会から決まっていた継投が崩れた。

 だが、横瀬は「みんなで集大成を見せられたし、ケガをした上米良の分までみんなでやりきった。悔いはない」と胸を張った。宮崎大会前に主戦だった左腕・上米良が左肘を疲労骨折。アクシデントを奈須、井手と力を合わせて乗り越えた。奈須は「3人でここまで来られて良かった」とうなずいた。


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