U18ワールドカップ、日本で開催され悲願の優勝を目指したが、再び1点差でアメリカに敗れた。
出てしまったミス
先発は佐藤世那投手、1次ラウンドでアメリカを完封しており、その投球を買っての登板だったが、スーパーラウンドの第1戦カナダ戦で登板して完投、140球を投げていた。2日を開けての登板だったが、疲労が残っていたのは否めず、持ち前の外角の速球とフォークボールのコントロールが良くなく、4イニング中3イニングで先頭打者を許す苦しい投球となった。
そして3回、ランナーを2塁に進められたものの、ピッチャーゴロに打ち取った打球でアメリカのセカンドランナーが飛び出すミスを見せる。そこでセカンドランナーをアウトにしようとサードに送球したボールが悪送球となって、ランナーをホームに返してしまった。スーパーラウンドまでは相手から四球とエラーで得点を奪った侍ジャパンだったが、決勝では逆となってしまった。
しかしリリーフした上野翔太郎投手は、球速こそ130キロが多いものの、伸びのある球をしっかりと腕を振ってインコースに投げ切り、チェンジアップを相手に見逃されたものの、速球とシュート気味に曲がる球で5回1安打6奪三振で無失点の投球を見せた。上野投手は大会開幕のオーストラリア戦、そしてスーパーラウンドの韓国戦、そして決勝と3試合18回を投げて24奪三振で無失点、2勝を挙げる活躍で、日本のエースの活躍を見せた。
侍ジャパンU18日本代表選手成績
投手成績
守 備 |
選手名 | 高校 | 投打 | 勝敗 | 回 | 振 | 責 | 防 |
投 手 |
佐藤世那 | 仙台育英 | 右右 | 3試合2勝1敗 | 22 | 28 | 2 | 0.82 |
成田翔 | 秋田商 | 左左 | 2試合 | 5 | 8 | 0 | 0.00 | |
高橋樹也 | 花巻東 | 左左 | 3試合1勝0敗 | 6 | 7 | 0 | 0.00 | |
小笠原慎之介 | 東海大相模 | 左左 | 2試合1勝0敗 | 8 | 11 | 0 | 0.00 | |
上野翔太郎 | 中京大中京 | 右右 | 3試合2勝0敗 | 18 | 24 | 0 | 0.00 | |
高橋純平 | 県岐阜商業 | 右右 | 3試合1勝0敗 | 4 | 5 | 0 | 0.00 | |
森下暢仁 | 大分商 | 右右 | 3試合1勝0敗 | 11 | 14 | 0 | 0.00 |
野手成績
守 | 選手 | 高校 | 投打 | 打安 | 本 | 点 | 盗 | 打率 |
投 | 勝俣翔貴 | 東海大菅生 | 右左 | 8試合22打数12安打 | 1 | 12 | 0 | .545 |
捕 手 |
伊藤寛士 | 中京大中京 | 右右 | 7試合13打数3安打 | 0 | 1 | 0 | .231 |
郡司裕也 | 仙台育英 | 右右 | 7試合12打数2安打 | 0 | 4 | 1 | .167 | |
堀内謙伍 | 静岡高 | 右左 | 7試合16打数7安打 | 0 | 5 | 0 | .438 | |
内 野 手 |
平沢大河 | 仙台育英 | 右左 | 9試合21打数8安打 | 0 | 10 | 1 | .258 |
津田翔希 | 浦和学院 | 右右 | 9試合27打数11安打 | 0 | 8 | 1 | .407 | |
清宮幸太郎 | 早稲田実 | 右左 | 8試合27打数6安打 | 0 | 2 | 0 | .222 | |
宇草孔基 | 常総学院 | 右左 | 7試合11打数1安打 | 0 | 0 | 2 | .091 | |
杉崎成輝 | 東海大相模 | 右左 | 8試合30打数13安打 | 0 | 6 | 2 | .433 | |
篠原涼 | 敦賀気比 | 右左 | 9試合30打数10安打 | 0 | 8 | 2 | .333 | |
外 野 手 |
豊田寛 | 東海大相模 | 右右 | 3試合11打数3安打 | 0 | 2 | 0 | .273 |
オコエ瑠偉 | 関東第一 | 右右 | 8試合33打数12安打 | 0 | 7 | 4 | .364 | |
船曳海 | 天理高 | 右左 | 9試合17打数5安打 | 0 | 7 | 4 | .294 |
申し分のない侍ジャパン
それでも2012年、2013年にはアメリカに1度も勝てなかったが、今年は佐藤世那投手がアメリカを完封した。壁は一つ乗り越えたと思う。しかし次こそアメリカの壁を打ち破って世界一になってほしい。
今大会は打者で勝俣翔貴選手が打率.556、打点12で首位打者と最多打点に輝き、船曳海選手が12得点で最多得点、守備でもオコエ瑠偉選手が優秀守備選手に選ばれた。勝俣選手、オコエ選手、平沢大河選手が木製バットで痛烈な打球を放ち、対応していることが確認できた。篠原涼選手は主将としての役割をしてくれた。津田翔希選手、伊藤寛士選手、杉崎成輝選手もチャンスで力を見せ、船曳選手は出塁で自分のプレーを見せた。心配された捕手も郡司裕也選手、堀内謙伍投手とも落ちるボールを体で止め、投手を巧みにリードした。
結果的に佐藤投手と上野投手の2人に頼ることになり、小笠原投手や高橋純平投手が本調子でなかったのは残念だったが、高橋樹也投手、森下暢仁投手、成田翔投手も素晴らしい投球を見せた。
申し分のない、侍ジャパンだった。
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