甲子園は、2年生エースを擁してベスト4に進出した近江と京都国際がともに準決勝で姿を消した。近江・山田陽翔投手、京都国際・森下瑠大投手は来年に向かっていく。
自信になる
京都国際の森下瑠大投手は今大会、初戦の前橋育英戦で9回4安打10奪三振で完封する快投を見せると、二松学舎大付戦ではプロ注目の3年生・秋山正雲投手との左腕対決に勝利し、敦賀気比戦ではリリーフで4回を投げた。
球数が多くなっており、この日の準決勝・智弁学園戦も、同じ2年生の右の平野順大投手が先発をしたが、5回から登板した森下投手は、5回2安打6奪三振と好投、プロ注目の前川右京選手をノーヒットに抑えた。
ベスト4進出をしたものの、自分が不甲斐ないせいで負けたと話す森下投手だが、「来年は春夏両方で優勝したい。エースがマウンドに立ったら絶対に勝てるという信頼度を高めて、成長したい」と話す。
そしてその先に来年のドラフト会議もある。この日、前川選手を抑えたことに「プロ注目の選手と対戦できてうれしかった。三振が取れて自信になる」と話しており、プロという意識もあるように見える。
今は両方、見ていきたい
近江の山田投手は1回戦からこの日まで5試合全てで先発し、この日も122球を投げて合計546球を投げた。初回から疲労が見え、いきなり2点を許したものの、3回には自己最速タイの146キロを記録するなど、力を尽くした。
3年生の149キロ右腕・岩佐直哉投手との継投で勝ってきた。しかし、この日は岩佐投手の右肘の故障が再発し、7回途中で山田投手が降板した後に、岩佐投手の姿はなかった。山田投手は「必勝リレーは岩佐さんと僕で作り上げてきた。最後できなかったのは残念」と涙をみせた。
それでもこの夏の姿は、大きく印象付けられた。この日、視察した中日に山本チーフスカウトは「真っすぐは速いし、落ちる球も使える。打つ方も大きいのを打つ力がある。投打どちらかで評価するのではなく、今は両方、見てゆきたい」と話す。
「ひと回りもふた周りも大きくなって帰ってきたい」と話す山田投手、来年夏の甲子園でどんな姿を見せるのか注目したい。その頃には、大勢のスカウトがその姿を見守っていることだろう。
コメント