2人のドラフト1位指名選手が誕生した市和歌山は、来年のドラフト会議で上位指名の可能性もある148キロ右腕の米田天翼投手が、9回7安打10奪三振1失点で完投勝利を挙げた。
6回からパーフェクト
秋季高校野球近畿大会の初戦、神戸学院大付と対戦した市和歌山は、148キロの速球を投げ、来年のドラフト候補として注目される米田天翼投手が先発した。
米田投手は5回まで毎回ヒットを許す苦しい投球となり、攻めのリズムも悪く、5回まで9つの四死球をもらいながらも1点しか奪えず、4回にはタイムリーヒットを許して1-1の同点となった。
ここで半田監督がナインを集め、「このまま力を出せずに後悔するのか」と叱咤すると、米田投手は6回からはパーフェクト投球、本来のピッチングをみせた。攻撃でもなんとか1点を奪い、2-1で勝利した。
米田投手は「自分の武器はストレートだと思っているので、しっかりと押し込んでいけば絶対に打たれない、と考え直した」と話した。
ドラフト会議では小園健太投手、松川虎生捕手という2人が1位指名を受ける快挙となった。その姿を見ていた米田投手は、「絶対に自分も来年はあの立場で迎えたいという気持ちが強かった」と話す。
まずは1勝、近畿大会ベスト4入りし、センバツに出場し、小園投手と同じく全国にその名を轟かせたい。
近畿大会の開幕戦という緊張から制球に苦しみ、五回まで毎回安打を浴びる苦しい投球。1点リードの四回には適時打で同点に追いつかれた。打線も五回までに9四死球をもらいながら攻めきれず、1―1の展開。ナインは五回終了後に半田監督から「このまま力を出せずに後悔するのか」と叱咤を受けた。これに右腕は奮い立ち、六回以降は別人にようなマウンドさばきをみせる。自信のある力強い直球を次々と捕手ミットに投げ込んで相手打線を寄せつけず、そこからの4イニングはパーフェクト投球。最後の打者を二ゴロに抑えると、力強くガッツポーズをつくって感情を爆発させた。
同校は今秋ドラフトでDeNAに1位指名された小園健太投手(3年)とロッテ1位指名の松川虎生捕手(3年)を擁して、今春のセンバツで躍動した。11日のドラフトは後輩たちも同校で行方を見守った。米田は「『エースたるもの』という言葉は小園さんから受け継ぎました。ドラフトで指名されて自分も来年、あの立場で迎えたい」と気持ちを新たにした。
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