広陵の高尾響投手が110球を投げて9回6安打9奪三振1失点で完投し、出場した甲子園4大会で白星を手にした。
甲子園で成長
熊本工との試合で先発した高尾響投手は、広島大会同様に球速をやや抑え気味に制球を意識した投球をし、5回に先制点を許したものの8回まで1失点に抑えた。
7回に味方が2点を奪って勝ち越すも2-1の接戦が続く。そして9回、1アウト2,3塁のピンチとなると、1ボール2ストライクとなった5球目に捕手・只石貫太選手のサインに首を振り、インコースにこの日最速の146キロのストレートを投げて三振を奪った。「ずっと外に投げて内を見せていなかった。この内の1球で決めるという気持ち」と、ずっと隠していたインコースストレートを9回に繰り出し、見事な三振を奪った。
これで勝負があり2アウトから最後の打者を抑えて完投勝利、9回6安打9奪三振1失点の見事な投球だった。視察した阪神の山本スカウトは「ピンチでギアを上げられる賢い投手。」と評価し、早稲田実で甲子園で優勝した斎藤佑樹氏も「プロ野球の選手の球を見ているよう。最高のボール。あれ以上ないくらいのボールでした」と絶賛した。
高尾投手は2023年夏のセンバツで2勝、その夏に1勝をした。そして今年の選抜も1勝を挙げており、登板した甲子園4大会すべてで白星を手にした。これについて阪神の山本スカウトは「甲子園で育った子」と評価した。
甲子園に出るたびに結果を残す。そして投球スタイルも少しずつ進化をしている。あとは甲子園の申し子として手にしたいのが優勝ということになり、それを手に入れるための今年の投球を作り上げてきた。まだまだ力を持っている高尾投手、この夏の投球が更に注目されそうだ。
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