春季高校野球神奈川大会では、川和高校のプロ注目左腕・濱岡蒼太投手と、日大藤沢の強打の内野手・半田南十選手が出場し、国内8球団、メジャー1球団のスカウトが集結した。
濱岡投手が151球完投
濱岡蒼太投手は177cm87kgと、どっしりとした体格を持っている左腕投手で、最速は144キロを記録し、スライダーやカットボールなど変化球もうまく使う左腕投手として注目されている。
この日は強豪・日大藤沢との試合に、「組み合わせが決まった瞬間に、日藤というのはあったんですけど、ここで勝てないと横浜にも勝てない。通過点だなというところです。」と話し、この試合に向けてしっかりと調整をしてきた。
試合では自己最速タイの144キロを記録すると、変化球はもちろん、フォームでも二段モーションやクイックなどで変化をつけ、日大藤沢打線を抑えていく。プロ注目の半田南十選手との対戦でも、8回には見逃し三振を奪った。
9回まで3失点で3-3の同点で延長タイブレークに入るが、10回、11回を抑えると、味方が11回に得点を奪ってサヨナラで勝利、濱岡投手は11回151球を投げて7安打13奪三振3失点で強豪の日藤を下した。
「バッターの吸い込まれ感というか、タイミングが合ってるなと思った時に、外すようにはずっと意識していて。球種と投げ方みたいなイメージで、バッターとのテンポをずらしています」と独特の表現で自らの投球を語った濱岡投手、強豪に勝利したことに「仲間への感謝をすごく感じました」と話した。
目標はセンバツ優勝の横浜高校に勝つこと。「まずは横浜を倒して、公立で神奈川を制するチームのエース、勝てるピッチャーを目指しています。横浜が勝てば勝つほど、自分たちが勝った時の価値は上がるかなと思います。同じ神奈川県から優勝校が出てくれて素直にうれしいですし、その目標が甲子園で何試合もしてくれて、いっぱい試合を見られて、倒すための準備もすごくしやすい。シンプルに応援もしてますし、倒したいなという気持ちもすごく増えました」と話し、全国覇者の分析も進めている。
川和高校は、慶応大から2007年の大学社会人ドラフトで東京ヤクルトに1位指名された、同じ左腕投手の加藤幹典投手が出ている。進学校ではあるが、濱岡投手は進路は「プロ一本」としている。この日はNPB8球団とメジャー1球団のスカウトが視察し、そのメジャー球団のスカウトは「松井裕樹ばりのスライダー。スタミナも十分だ」と評価した。
まずはこの春季大会で打倒横浜を成し遂げるか、そして夏までにも非常に高いレベルで各球団のマークが続いてゆきそうだ。


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