春季全道高校野球函館地区予選の2回戦で、知内高校が函館高校に9-3で勝利し、3年ぶりの春全道大会出場へ大きく前進した。この試合で、183cm86kgの未完の大器・渋谷來夢投手(3年)が公式戦初登板初先発し、5回までノーヒット投球を見せた。
2年間メンバー外からの公式戦初登板、5回無安打投球
知内高校の背番号11・渋谷來夢投手がこの日、函館高校との試合で公式戦初先発をした。183cm86kgの体があり、入学時から期待されていたものの、「危ないので打撃投手もさせてもらえなかった」という制球難で、2年間スタンドからチームを応援してきた右腕は、初めて立つ公式戦のマウンドで「軸足の震えが止まらず緊張はピークに」なったという。
しかし、初回を3者凡退に抑えると徐々に落ち着きを取り戻し、5回まで相手打線を無安打に抑えた。2回に2四球と2つの犠打で1失点、そして6回には5安打を許して2失点し、6回3失点という投球内容であったが、リードを保ったままリリーフにバトンを託した。
試合後、自身の投球を振り返り、「ピッチャーを任されている以上、勝たないといけない。そういう強い気持ちはあるほうだと思っているので、気持ちで勝負した。左打者への外角のスライダーが良かった」と話した。
脱“ノーコン”で制球安定!試行錯誤で見つけた新たなフォームと球速アップ
入学当初から制球力が最大の課題であった。練習試合では3イニングで2ケタ四死球を与えることもあったという。しかし、高校野球最後の1年に向け、オフにはフォームを一から見直した。オーバーハンドからスリークオーターに腕を下げるなど、試行錯誤を重ねた結果、制球が安定するようになった。またこれにより、決め球のスライダーの曲がり幅が大きくなったほか、球速も136キロまでアップした。昨夏就任の高草木穣監督も、「今シーズンに入って、公式戦で投げさせられるくらいの結果を残してくれた」と、この日の先発に指名をした。
183cmの恵まれた体格!「今年中に145キロ投げたい」夏へ向けエース街道駆け上がる
渋谷來夢投手は、恵まれた体格を持っており、「この体で140キロ投げられないのはおかしいので、今年中に145キロは投げたい」と自ら話している。高草木穣監督も、「体は大きいし、ポテンシャルはある。田沢ともっと競ってくれれば」と、エースの田沢投手と競い合い、チーム全体のレベルアップに繋がることを期待している。
この日も5回までノーヒットながら四球絡みで失点するなど、威力があるものの制球難の投手にありがちな投球をしているが。こういう選手がフォームがしっかりと固まって安定してくると、一気に伸びる可能性がある。今後の投球に注目したい。。
渋谷來夢投手 プロフィール
- 氏名: 渋谷 來夢(しぶや らいむ)
- 所属: 知内高校 3年
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 183cm・86kg
- 最速: 136キロ
- ポジション: 投手
- 背番号: 11
- 特徴: 183cmの恵まれた体格を持つ右腕。「未完の大器」。入学当初は制球難も、フォーム修正で安定。3年春に公式戦初登板初先発を果たし5回無安打投球を披露。夏に145キロを目指す。

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