夏の高校野球・静岡大会では20年ぶり2度目の夏の甲子園出場を目指す静清高校で、プロ注目の内藤優央投手が最後の夏に挑む。最速145キロ左腕は春の県予選では8回19奪三振という圧巻の投球を披露し、NPB9球団のスカウトからも熱視線を浴びる。
衝撃の8回19K、最速も145キロに更新
内藤優央投手は185cmの大型左腕投手で、マウンド上で堂々とした姿を見せる。そして、そのポテンシャルを強烈に印象付けたのが、3月29日に行われた春季県大会予選の代表決定戦・焼津中央高校との一戦で、強豪の藤枝明誠を破って勝ち上がってきた相手に対し、内藤投手は8回までわずか1安打に抑え込み、19個の三振を奪う圧巻のピッチングを披露した。続く静岡高校との決定戦では、自己最速を6キロも更新する145キロをマークし、その成長ぶりを見せつけた。
この内藤投手には、プロのスカウトも注目している。すでにNPB9球団が視察に訪れており、その将来性に期待が寄せられている。ヤマハで指揮を執った経験を持つ静清高の長田仁志監督(72)は内藤投手について、同校OBで現在DeNAで活躍する石田裕太郎投手(23)と比較し「ベース手前からの伸びは、内藤の方が上だと思っている」と評価している。
入学時には180センチを超える長身で、県外の強豪校からも誘いがあったという内藤投手。しかし、2022年夏に静清高校が静岡県大会で準優勝した戦いぶりに感銘を受け、「ここでなら甲子園に行けるのでは」と進学を決意した。1年秋からエースナンバーを託されたが、昨夏はまさかの初戦敗退。「秋、春も今まで自分で負けてしまっている。夏は勝てるピッチングをしていかないと」と、過去の悔しさを胸に、最後の夏へかける思いは強い。
春に見えた課題と成長への糧「夏は勝てるピッチングを」
一方で、春の大会では課題も見つかった。日大三島高校との県大会2回戦では、4回4失点で降板。「不調になるとリリースポイントに意識がいき、下半身との連動性がなくなっていた」と話す。大型投手にある上と下のつながりがバラバラになることがある。また、ストレートの調子が良くない時に、いかに変化球を使ってピッチングを組み立てるかといった、不調時の投球についても課題として克服に取り組んでいる。
そして内藤投手は「プロ野球選手を目指しているからには同じ左投手には負けられない」と話す。県内では、昨秋の県大会を制しセンバツに出場した常葉大菊川の技巧派左腕・大村昂輝投手(3年)や、今春の県王者・聖隷クリストファーのエース左腕・高部陸投手(2年)など、サウスポーの好投手がそれぞれ頂点を取っており、ライバル心を燃やす。
185cmの大型左腕が夏の静岡を制し、甲子園でその堂々たる投球を見せることができれば、各方面がざわつくことになりそうで楽しみだ。
内藤優央投手 プロフィール
- 氏名:内藤 優央(ないとう まお)
- 生年月日:2007年8月14日
- 出身地:浜松市
- 経歴:赤佐ヤングス(赤佐小2年) – 浜松北ボーイズ(浜北北部中) – 静清高校(3年)
- 投打:左投左打
- 身長・体重:185cm・78kg
- ポジション:投手
- 主な特徴や実績:最速145キロのストレートを投じる大型左腕。2025年春季静岡県大会予選の焼津中央戦で8回19奪三振を記録。NPB9球団が視察。静清高校の長田仁志監督からはDeNA・石田裕太郎投手と比較され「ベース手前からの伸びは内藤の方が上」と評価される。1年秋からエース。家族は両親、弟、妹。血液型A型。

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