盛岡大付の二刀流・許定捷選手「日本のプロに」、走攻守揃った逸材が東北大会へ

春季高校野球東北大会が10日に開幕し、U15台湾代表だった盛岡大付（岩手）・許定捷外野手（2年）は、「日本のプロ野球選手になりたい」という強い思いで台湾から渡ってきた走攻守三拍子そろった逸材だ。

「日本のプロ野球選手になりたい」国境を越えた挑戦と成長

許定捷選手は175cmの外野手で、台湾では中学時にU15台湾代表に選ばれていた期待の選手だが、「日本のプロ野球選手になりたい」と強い思いを持ち、盛岡大付に入学した。「正直、不安もありました」と振り返り、投手は野球の練習どころか言葉もわからない日々だった。それでも、練習後には寮で毎日1時間、日本語ドリルに向き合い、地道な努力を重ねた。

くじけそうになった時、原動力となったのは、昨季まで西武で活躍した同じ台湾出身の呉念庭選手の存在だった。台湾から日本の高校、大学を経てプロ野球選手になった呉選手は、まさに許選手が描く道を歩んだ選手で、徐々に課題を乗り越えていくことができた。また、「ミーティングで難しい言葉が出ると、みんなが時間をかけて教えてくれました」と、チームメイトの温かいサポートもあり、言葉の壁を乗り越えた。今でも日本語の勉強は毎日欠かさず続けているという。

三拍子揃う二刀流「投手で勝負したい」とエース奪取にも意欲

中学までは内野手でプレーしていたが、盛岡大付では強肩を評価され外野手に転向した。また、中学時代に経験をしていた投手についても、高校で練習を続けているおり、力強いストレートに加え、スライダーとフォークで三振も奪う力がある。打撃にも自信を持ち、50メートル6.0秒の俊足も誇る。まさに三拍子揃った逸材だが、許選手は「投手で勝負したい」と話す。

中学時代はU15代表以外にも、「中学で全国大会を３、４回くらい経験したことが大きいです」と話し、大舞台の経験を十分積み重ねている。「今年の夏は絶対に甲子園に行きたいです」と、今度は日本の聖地を目指し、甲子園のマウンドで登板することを目指す。甲子園から台湾に届く球を投げるために、まずは東北大会で仙台育英など全国の強豪を相手にどんなプレーを見せるか注目したい。

許定捷選手プロフィール

氏名：許定捷（きょていしょう）
所属：盛岡大付高校（2年）
出身地：台湾
ポジション：外野手、投手
投打：右投左打
主な特徴や実績：U15台湾代表選出経験を持つ走攻守三拍子揃った選手。投手としては力強いストレート、スライダー、フォークを操る。打撃にも自信を持ち、50メートル走6.0秒の俊足も武器。日本のプロ野球選手になることを目標に、台湾から来日。