第107回全国高校野球選手権南北海道大会室蘭地区予選では、2004年、05年に夏の甲子園を連覇した駒大苫小牧が、北海道大谷室蘭に10-5で逆転勝利した。4月に左足首のじん帯損傷の怪我を負ったエース左腕・寺田七将(ななと)投手(3年)が、毎回の16奪三振を奪う168球の熱投で完投。春季大会で敗れた相手に雪辱を果たし、2年ぶりの南北海道大会進出に王手をかけた。
「迷惑をかけた分、この夏に返す」8か月ぶり公式戦で16K完投
昨秋の北海道大会準決勝以来、8か月ぶりの公式戦マウンドとなった寺田七将投手は、177cm88kgの左腕投手で、昨秋には士別翔雲戦で9回15奪三振1失点の快投を見せており、ドクターKとして注目されていた。しかし、4月初めに左足首のじん帯を損傷し、春の大会は登板することができず、エース不在のチームは、春季大会で北海道大谷室蘭に敗れていた。
「自分がけがで投げられなくて春は大谷室蘭に負けて、自分のせいで負けたと思っているので、借りを返そうと思っていました」と話し、この日の試合に先発した寺田投手、2回に犠打を挟む5安打を浴びて4点を失うなど、序盤は制球に苦しんだ。しかし、「気持ちで押すだけと監督からも言われたので、気持ちで全部押しきろうと思っていた」と、中盤以降は立ち直りを見せる。決め球のスライダーが低めに集まりだし、5回以降は無安打投球。9回を投げ抜き、毎回の16三振を奪う圧巻のピッチングで、最後までマウンドを守り抜いた。
「迷惑をかけた分、この夏に借りを返そうと思っていた。最後の夏なので、3年生で一致団結してやろうと話をしていた。そこで自分がエースとして投げるだけ」と話し、復活の投球に3年生エースの覚悟を示す。駒大苫小牧の佐々木孝介監督(38)も、「疲れていても投げれば良くなっていくタイプ。変化球の切れも良くなってきたので、そのまま継続した」と、エースへの信頼を口にした。
駒大苫小牧は、2005年の甲子園連覇からちょうど20年となる。まだ記憶には残っているものの、夏の甲子園には17年間出場をしておらず、そのユニフォームの印象は徐々に薄れてきてしまっている。今年は18年ぶりの夏の聖地を目指す駒大苫小牧、寺田投手は「練習でやっていることをそのまま“とましん(スタジアム)”で出せれば絶対行けると思っているので。やるしかない」と、まずは次戦の代表決定戦で南北海道大会出場を決める。
寺田七将投手 プロフィール
- 氏名:寺田 七将(てらだ ななと)
- 所属:駒大苫小牧高校(3年)
- ポジション:投手
- 投打:左投左打
- 主な特徴や実績:駒大苫小牧のエース左腕。2025年夏の南北海道大会室蘭地区予選2回戦で、左足首じん帯損傷から復帰し、168球を投げ毎回の16奪三振で完投勝利。春季大会で敗れた北海道大谷室蘭に雪辱を果たした。




コメント