今春に32年ぶりに静岡県大会ベスト4進出という快進撃を見せた県立の進学校・磐田南高校、その原動力となったのが、エースで4番を務める山田堅正投手（3年）で、昨年就任した磯部祐監督（49）の指導の下で急成長を遂げた181センチ右腕が、投打の大黒柱として夏はチームを初の甲子園出場へ導く。
春に覚醒したエースで4番、防御率は0.20「無失点投球を目指す」
山田堅正投手は181cm80kgの体があり、最速は145キロとも言われる。今春の県大会では予選から5試合で合計44イニングを投げて自責点はわずかに1、防御率は0.20を記録すると、打っても4番として打率.355をマークし、投打にわたってチームを牽引する活躍を見せた。そして山田選手は、「甲子園出場をかなえるために、無失点投球を目指しています」と話し、私立の強豪ひしめく夏の静岡を勝ち抜く覚悟を示した。
山田投手がこの春までに急成長を遂げたが、昨年就任した磯部監督との出会いがあった。1年秋から打力を買われ、主に外野手として主軸を担ってきたが、昨秋からエースとして本格的にマウンドに立つようになった。当時は直球とフォークのみで、「練習試合では、多投していた直球を狙われ打たれまくっていた」という。
昨秋の公式戦初戦で浜松工業に9-10で競り負けた悔しさを胸に、監督と二人三脚での投球改造が始まった。まずはスライダーなど新たな変化球を習得。しかし、練習試合で慶應義塾（神奈川）と対戦した際には、相手打線の2巡目に痛打を浴びた。そこで今度は、配球、ピンチでの球種やコース選択など、投球術のイロハを徹底的に叩き込まれた。すると今年3月、浜松開誠館との練習試合では10奪三振で7回コールド完封勝利し、他にも甲子園常連校の近江（滋賀）や花巻東（岩手）との練習試合でも三振の山を築いた。
春もその勢いは止まらずに県ベスト4まで勝ち上がる快進撃を見せた。準決勝で聖隷クリストファーに敗れた際には、「変化球に頼りすぎた」と課題も見つけ、現在は、上半身と下半身の連動を追求したフォーム修正と、夏の終盤戦を見据えた走り込みによるスタミナ強化に取り組んでいる。
将来の夢は「プロ野球選手」、まずは聖地へ
この181cmの急成長右腕にはプロの球団も熱い視線を送っているという。進路について山田投手は大学に進学する意向だが、将来の夢は「プロ野球選手」とはっきりと口にする。「中学まではプロなんて目指せない選手だった。だけど、この高校に来て目標が定まった」と話す。
「自信になった」という春の快投を経て、さらにレベルアップした姿を夏のマウンドで見せてくれそうな山田投手、自らの投打でチームを初の甲子園へ導き、将来のプロ入りの夢へに大きな一歩を記す。
山田堅正投手 プロフィール
- 氏名：山田 堅正（やまだ けんせい）
- 生年月日：2007年8月3日
- 出身地：磐田市
- 経歴：磐田東野球スポーツ少年団（小3） – 磐田東中学校 – 磐田南高校（3年）
- 投打：右投右打
- 身長・体重：181cm・80kg
- ポジション：投手、外野手
- 主な特徴や実績：エースで4番を務める投打の大黒柱。2025年春の静岡県大会でチームを32年ぶりのベスト4に導く。同大会では5試合44回を投げ防御率0.20、打者としては打率.355を記録。最速145キロ。NPB球団も注目している。将来の夢はプロ野球選手。
コメント