全国高校野球選手権愛知大会では、“公立の星”として日米のプロ球団からも注目された高蔵寺の最速150キロ左腕・芹澤大地投手(3年)が、名古屋たちばなに0-6で敗れ、最後の夏を終えた。大会直前に腰を痛めるアクシデントに見舞われながらも、この日自己最速を更新する151キロを計測する力投を見せたが、相手打線に捕まり8回12安打6失点。試合後、涙はなく、次のステージでの飛躍を誓った。
初回に自己最速151キロ!しかし…「自分の力を出せなかった」
芹澤大地投手は初回、先頭打者への初球にいきなり150キロを計測すると、フルカウントからの7球目には自己最速を1キロ更新する151キロをマークし見逃し三振。球場をどよめかせ、世代屈指の左腕としての片鱗を見せつけた。
しかし、本調子ではなかった。「変化球の精度が悪く、自分の力が出せなかった」と振り返るように、頼りのストレートを名古屋たちばな打線に狙われ、12安打を浴び6失点。「6失点は僕の記憶ではない」と肩を落とした。大会直前の練習試合で腰を痛め、初戦は打者1人だけの登板。この日も万全ではない中でのマウンドだったが、「腰は気にしてなかった」と話し、「マウンドはエースとして譲りたくなかった」と、その言葉通り、芹澤投手は最後までマウンドに立ち続けた。
進路は社会人野球へ「何倍もレベルアップして」
今春には高校日本代表候補合宿に公立校から唯一選出されるなど、多くの球団のスカウトも注目をする選手となった。しかし、夏の大会を前に、卒業後は社会人野球でプレーすること明言し、注目する周囲の熱をやや下げて夏の大会に集中した。
この日も試合後に、卒業後の進路について「社会人に行って、レベルアップしてプロで通用する投手になりたい」と話し、あらためてプロ志望届は提出せず、社会人野球の道へ進むことを明言した。
「甲子園出場がかなわなかったので、社会人で日本一を目指します」と、新たな目標を掲げた芹澤投手。「中学までポテンシャルに気づけなかったが、指導者の熱心な教えを吸収した。今後は直球を生かすため、より変化球が使えたら」と自身の課題を分析する。無名の公立校に現れた逸材は、「高蔵寺だからレベルアップできた」と仲間への感謝を口にし、高校野球に別れを告げた。突然、大きな輝きを見せた芹澤大地投手、その原石をさらに磨いて、3年後のドラフト1位候補として注目される投手になりたい。
芹澤大地投手 プロフィール
- 氏名:芹澤 大地(せりざわ だいち)
- 生年月日:2008年3月23日
- 出身地:愛知県春日井市
- 経歴:ニュータウンジャガーズ(不二小2年) – 高蔵寺中学校(軟式野球部) – 高蔵寺高校(3年)
- 投打:左投左打
- 身長・体重:183cm・72kg
- ポジション:投手
- 主な特徴や実績:最速151キロを誇るプロ注目の左腕。2025年4月のU18高校日本代表候補合宿に公立校から唯一選出された。“公立の星”として日米のスカウトからも注目される。卒業後は社会人野球へ進むことを明言。高蔵寺高校では1年夏からベンチ入りし、2年秋からエース。








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