全国高校野球選手権山梨大会は13日、1回戦で昨夏の決勝と同カードとなる日本航空対東海大甲府の好カードが実現した。東海大甲府は、プロ注目の最速149キロ左腕・鈴木蓮吾投手(3年)が8回1失点の熱投を見せたが、打線が沈黙し0-3で完封負け。ショックから試合後にはグラウンドにしゃがみこみ涙を流した。この試合には巨人、東京ヤクルト、横浜DeNA、福岡ソフトバンクなど複数球団のスカウトが集結した。
138球の熱投も「今年は鈴木のチーム」監督の期待に応えられず
「県の1回戦で緊張しているようでは」。強気な心構えで、猛暑の甲府のマウンドに上がった。この日最速147キロをマークしたストレートを中心に、7つの三振を奪う力投。「大事な場面でも三振が取れた」と、自身の投球には手応えも感じる投球を見せたが、打線の援護なく、チームは初戦で姿を消した。
仲沢広基監督から「今年は鈴木のチーム。おまえに託した」と、全幅の信頼を寄せられていただけに、そのショックは大きかった。試合後、両肘をつけて号泣するエースの姿が、その悔しさを物語っていた。
複数球団が視察、ヤクルトスカウト「やわらかさ、しなやかさ、球あしの良さ」
149キロ左腕の鈴木投手にはプロのスカウトが高く評価をしている。この日も巨人、東京ヤクルト、横浜DeNA、福岡ソフトバンクといった複数球団のスカウトが視察し、東京ヤクルトの押尾スカウトは、その投球を高く評価した。
東京ヤクルト・押尾スカウト:「やわらかさ、しなやかさ、球あしの良さ」
勢いのあるフォームから投げられるストレートは、ラインを描きキャッチャーミットを叩く。熱さもあるエースとして頼られる存在だったが、日本航空や山梨学院など強豪のいる山梨で全国には手が届かなかった。
父の言葉を胸に、プロの世界へ
「にわとりが大ワシを生んじゃった」よ父・浩一さんは、息子の才能をそう誇らしげに語る。この夏は毎試合、自宅のある東京から山梨まで応援に駆けつける予定だったが、1試合で終わってしまった。鈴木投手は「県外の私立で寮に入るのは結構お金がかかったと思う。自分のことを活躍してくれると信じて、この学校に入れてくれてありがとうと伝えたい」と、感謝の思いを口にした。
卒業後の進路については、プロ志望を明言。「1回戦で負けて獲ってくれるかわからないが」話すも、「上のランクでプレーできたら」と意欲を見せる。「みんなから応援されて、チームメイトからも最後まで信頼される投手になりたい」、プロで鈴木投手の投球が見られそうだ。ドラフト会議では4位前後での指名が予想される。
鈴木蓮吾投手 プロフィール
- 氏名:鈴木 蓮吾(すずき れんご)
- 所属:東海大学付属甲府高校(3年)
- ポジション:投手
- 投打:左投(打席は調査中)
- 主な特徴や実績:最速149キロを誇るプロ注目左腕。2025年夏の山梨大会初戦で、8回138球、2安打7奪三振1失点の熱投。巨人、ヤクルトなど複数球団が視察し、ヤクルト・押尾スカウトから高い評価を受ける。卒業後はプロ入りを希望している。



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