全国高校野球選手権長崎大会は12日、2回戦が行われ、昨秋と今春の県大会を制した海星が清峰に8-0で7回コールド勝ちした。プロ注目の150キロ右腕、陣内優翔投手(3年)が先発し、5回を1安打無失点に抑える快投。視察したNPB5球団のスカウトの前で、そのポテンシャルの高さを見せつけた。
昨秋の右肩故障から復活、5回1安打無失点「内容は50点」
「初回はしっかり抑えて、チームに流れを持っていきたかった」。その言葉通り、陣内優翔投手は気迫のこもったピッチングで夏の初戦のマウンドに上がった。初回、四球の走者を許したものの、2死一塁から4番打者をこの日最速となる144キロのストレートで見逃し三振に。2回以降は変化球の制球に苦しみながらも要所を締め、5回を投げ63球、1安打3奪三振無失点と、三塁を踏ませない見事な投球で試合を作った。
しかし、本人は「内容としては50点」と厳しい自己評価。「リリースのタイミングが合っていなかった」と、3回以降は7割程度の力感で制球を重視した投球に切り替えた。昨秋に右肩を故障し、今春の県大会は登板なし。この夏にかける思いは強い。「絶対にチームを勝たせる投球を」と、昨夏2回戦で敗退した悔しさを胸に、エースとしてマウンドに立ち続ける。
ソフトバンク「将来性を感じる」阪神「投球センスをすごく感じる」
185cmの恵まれた体格から投げ下ろす将来性豊かな右腕に、プロのスカウトも熱い視線を送る。この日、球場にはNPB5球団のスカウトが集結した。
福岡ソフトバンク・加藤領健アマスカウト:「身長も高く、腕も長く将来性を感じる」
阪神・前田忠節スカウト:「投球センスをすごく感じる。出力はこれから上がってくると思う」
海星の加藤慶二監督は「良くはなかった。1安打に抑えたのは真っすぐでファウルを取れたから」と辛口ながらも、そのポテンシャルを認めている。
「100%の状態で」甲子園へ
悔しさを味わった昨夏、ベンチから見ていた甲子園。「体の切れなど調整して、次の試合100%の状態を持っていけるようにしたい」。聖地のマウンドを目指し、右腕がフル回転を誓った。
陣内優翔投手 プロフィール
- 氏名:陣内 優翔(じんない ゆうと)
- 所属:海星高校(3年)
- ポジション:投手
- 投打:右投(打席は調査中)
- 身長:185cm
- 主な特徴や実績:最速150キロを誇るプロ注目右腕。2025年夏の長崎大会初戦で先発し、5回1安打無失点の好投。ソフトバンク、阪神など5球団のスカウトから高い評価を受ける。昨秋に右肩を故障し、今春は登板なし。昨夏はベンチ入り。

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