全国高校野球選手権西東京大会では第2シードの八王子学園八王子が大成に7-3で勝利し、4回戦へ駒を進めた。今秋のドラフト候補に挙がる主将の新井唯斗選手（3年）が「1番・遊撃」で出場。2安打を放つ活躍を見せた。この日は巨人、広島、西武、DeNAなどプロ7球団14人のスカウトが視察し、それぞれが評価をしている。
2安打も反省「遅い低めが打てないので」
雨で試合開始が遅れる中、プロ注目の遊撃手・新井唯斗選手は初回の第1打席、一塁手を強襲する内野安打で出塁すると、4回には遊撃への内野安打を放ち、2安打をマーク。しかし、本人は「球速があまり速くなくて。遅い低めが打てないので」と、内容には満足しておらず、試合後も反省の言葉を口にした。
それでも、主将としてチームを牽引する姿を見せた。「今日の試合内容じゃダメ。次、負けてもおかしくないというように厳しく伝えたい」と、チーム全体に奮起を促した。
新井選手は183cmの大型遊撃手で、50m6.0秒の足とパンチ力があり、この日も4回には、2塁ランナーとして、後続のセンター前ヒットで快足を飛ばし、一気にホームインした。
巨人「スイングが強い」広島「野球センスもいい」スカウト陣が絶賛
この日は巨人、広島、埼玉西武、千葉ロッテ、横浜DeNAなど7球団14人のスカウトが集まり、遊撃手に視線を送った。
巨人・安藤スカウトスーパーバイザー：「とてもいい選手。走っている姿もいい。まだまだ細いが成長過程にいる。走攻守揃ったプレースタイルがいい」
巨人・木佐貫洋スカウト：「スイングが強い、コンタクトもよい」
広島・松本有史スカウト：「脚力。野球センスもいい」
埼玉西武・秋元宏作球団副本部長：「センスがあり、素材は本当に良いものがある。スイングもクセがなく、二塁からの走塁はスピード感もある。体の面でも伸びしろを感じる」
横浜DeNA・木塚敦志スカウト：「落ち着いたプレーだった。何がというより走攻守バランスの良い選手。スイング力もあり、スピードボールへの対応もあるが、シンプルに出せている。守備範囲が広く、身体能力が高く、とにかく無駄のない動き。しょっちゅう振り返って後ろに声かけてっていうリーダーシップもある」
中堅手から遊撃手へ転向、憧れは鳥谷敬氏
今春、山本学助監督の進言により、中堅手から遊撃手へコンバートされた。春の大会では東京大会準決勝の東亜学園戦で、自らの悪送球でサヨナラ負けをするなど、6つのエラーを重ねた。それでも、「転向して間もないけど、言い訳にできない」と話し、夏までに朝練に加え、オフや練習試合の間にも壁当てやノックで正面のゴロをスムーズに送球までつなげる動作を繰り返した。
この夏の目標は失策ゼロ、この日も5度の守備機会をミスなくこなした。目標とする選手は、「阪神を中心に活躍した鳥谷敬さん。同じポジションで、スタイルも似ていると思う」と、憧れの存在を胸に、新たな挑戦を続けている。
ナインからは「仲間が大好きな人。寮でみんなで一緒に寝ているほど」と言われるほど柔和な性格だが、ひとたびグラウンドに立てば、「主将として時にはチームに厳しいことも言えるキャプテンシーのある人」と、野球に対して真摯に向き合う。最後の夏、「チームの勝利に徹する」と意気込む新井選手が、チームを甲子園へと導く。
新井唯斗選手 プロフィール
- 氏名：新井 唯斗（あらい ゆいと）
- 所属：八王子学園八王子高校（3年）
- ポジション：内野手（遊撃手）、外野手
- 投打：調査中
- 主な特徴や実績：プロ注目の遊撃手。2025年夏の西東京大会初戦で2安打を記録。巨人、広島、西武、DeNAなど7球団14人のスカウトが視察し、高い評価を受ける。今春から中堅手より遊撃手に転向。目標の選手は元阪神・鳥谷敬氏。
新井に注目せよ！！「八王子の鳥谷」スカウト集合 ー 日刊スポーツ紙面
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