全国高校野球選手権石川大会の準決勝では、昨夏代表の小松大谷が北陸学院に8-1で7回コールド勝ちし、2年連続の決勝進出を決めた。侍ジャパンU18日本代表候補で主将を務める3番・田西称(たさい とな)内野手(3年)が、初回に高校通算25号となる先制の場外2ラン本塁打を放つなど、3安打4打点の大活躍でチームを牽引した。
高校屈指のスラッガーが初回に場外弾「チームに勢いが出た」
「甘い球を初球から狙って振り抜いた結果。打った瞬間行くかなと思ったが、入ってくれて良かった」。初回1死一塁、田西称選手が捉えた打球は、ライトスタンド後方の林の中へ消える弾丸ライナーの先制2ランとなった。この一発で勢いに乗ると、2回には逆方向のレフトへタイムリー三塁打、6回にはセンターへタイムリーヒットと、広角に打ち分ける技術とパワーを見せつけ、3安打4打点の大暴れ。「チームに勢いが出たので、そこが一番良かったです」と、主将として、そして3番打者としての役割を果たし、笑顔を見せた。
今大会4試合で放った9安打のうち、2本塁打を含む5本が長打。打率6割と日本を代表するスラッガーの主軸の活躍で、チームを決勝戦まで導いた。
U-18合宿での刺激が成長の糧
成長の裏には、今年4月に参加した侍ジャパンU18日本代表候補の強化合宿での経験があった。「特に守備のレベルが高く、そこが自分の課題だと思った。打撃面では、140キロ後半くらいを投げるピッチャーに対応するため、スイングでも工夫することはたくさんあった」と、全国トップレベルの選手たちから大きな刺激を受けた。合宿中には、横浜高校の為永皓内野手と守備や甲子園の話で交流を深めたという。
普段の練習では、あえて木製バットを使用。「手は痛いですが、低反発の金属バットと変わらない」と木製バットでも長打力を見せている。高いレベルを見据え、常に自身の技術向上に努めてきた。
目指すは初の夏連覇「粘って勝ちたい」
昨夏の甲子園でも3番打者として聖地の土を踏んだ。しかし、チームとして初の夏連覇へ向けて、気の緩みは一切ない。「みんな、甲子園、甲子園というけど甘い野球をしていたら出ても全国の強豪にやられてしまう。連覇を意識しすぎずに、自分たちの野球をしっかりやりたい。決勝も難しい試合になると思いますが、粘って勝ちたい」。主将としてチームを引き締め、27日の決勝に臨む。
田西選手は進学を表明しており、プロのスカウトも今年に関してはもう追いかけてはいないが、昨年夏の甲子園の打撃で、この世代をリードするスラッガーであることはすでに定評となっており、横浜高の阿部葉太選手と、この高校ナンバーワンのスラッガーがプロ志望をしないという決断をすることについては、ドラフト会議的には非常に残念だと言える。この夏はこれからも、田西選手の打撃で強烈な印象をみるたびにそう思うだろう。
田西称選手 プロフィール
- 氏名:田西 称(たさい とな)
- 所属:小松大谷高校(3年)
- ポジション:内野手(三塁手)
- 投打:右投
- 主な特徴や実績:高校通算25本塁打を誇る右のスラッガー。小松大谷で主将・3番打者を務める。2025年夏の石川大会準決勝で先制2ランを含む3安打4打点と活躍。U-18日本代表候補。昨夏の甲子園に出場。






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