全国高校野球選手権大会の甲子園練習が2日に行われ、春夏連覇を目指す横浜(神奈川)の主将・阿部葉太選手(3年)と、春夏通じて初出場となる豊橋中央(愛知)のエース・高橋大喜地投手(3年)が、聖地での対戦を熱望した。2人は中学時代、愛知豊橋ボーイズで共にプレーしたチームメイト。それぞれの道を歩み、高校野球の聖地で再会する「舞台が整った」。
「絶対甲子園に出て横浜倒す」中学時代の約束、聖地で実現へ
「まさか甲子園の舞台で会えると思っていなかった」。甲子園練習を終えた横浜の主将・阿部葉太選手は、感慨深げに語った。愛知県出身の阿部選手にとって、豊橋中央の甲子園出場は特別な意味を持つ。エースの高橋大喜地投手をはじめ、松井蓮太朗捕手、花井成次選手、砂田隆晴主将(いずれも3年)、さらに1年生の中立大翔選手とは、愛知豊橋ボーイズ時代のチームメイトだ。
昨年末に地元へ帰省した際には、「絶対甲子園に出て横浜倒す、と言われた」という。その言葉通りの快進撃で、東三河地区から50年ぶりとなる甲子園出場を果たしたかつての盟友たち。「舞台が整ったというか、甲子園で(5人に)会えるのはすごくうれしい。自分としても励みになる。抽選次第ですけど、すごく楽しみ」。その存在が、春夏連覇を目指す主将の大きなモチベーションとなっている。
豊橋中央エース・高橋「早く打席に来い」と“口撃”
一方、春夏通じて初の聖地に乗り込んできた豊橋中央ナインも、旧友との対戦を心待ちにしている。エースの高橋投手は、阿部選手に対して「早く打席に来い」と、早くも心理戦を仕掛けた。愛知大会では、マウンド上で緊張を和らげるためにアントニオ猪木さんのモノマネを披露したことで、「猪木元気工場」から「闘魂タオル」が贈られるなど、話題を振りまいてきた右腕。甲子園でもその強心臓ぶりを発揮しそうだ。
初出場ながら、チームの雰囲気は最高潮だ。甲子園練習では、萩本将光監督の「元気出して行くぞー!」という掛け声でグラウンドに駆け出すと、持ち時間20分のうち15分をフリー打撃にあて、砂田主将が柵越えを放つなど、その打棒をアピールした。
横浜4番・奥村はDH制に持論
横浜の練習では、エースで4番の奥村頼人投手(3年)が、来春のセンバツから導入が決まった指名打者(DH)制について持論を展開。「野球が新しく変わっていく中、自分のようなエースで4番、ピッチャーで4番というのが少なくなってくるんじゃないかと思う。今まであった面白さも消えていくと思うので、そういう意味では賛否両論だと思います」と語りつつ、「何か一つ頑張るんじゃなくて、一つ頑張ってるだけで他にもつながる部分があると思います」と、“二刀流”継続への意欲を示した。
阿部葉太選手 プロフィール
- 氏名:阿部 葉太(あべ ようた)
- 生年月日:2007年8月6日
- 出身地:愛知県田原市
- 経歴:田原東部スポーツ少年団(小2) – 愛知豊橋ボーイズ(中1~) – 横浜高校(3年)
- 投打:右投左打
- 身長・体重:179cm・85kg
- ポジション:中堅手
- 主な特徴や実績:プロ注目の強打者。横浜高校で主将を務める。2025年夏の神奈川大会準々決勝で逆転サヨナラ打を放つなど、勝負強い打撃でチームを牽引。愛知県出身で、豊橋中央の主力選手とは中学時代のチームメイト。
高橋大喜地投手 プロフィール
- 氏名:高橋 大喜地(たかはし だいきち)
- 所属:豊橋中央高校(3年)
- ポジション:投手
- 投打:右投
- 主な特徴や実績:豊橋中央のエース。2025年夏の愛知大会では、マウンド上でアントニオ猪木さんのモノマネを披露し話題に。横浜高校の阿部葉太主将とは中学時代のチームメイト。




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