全国高校野球選手権の甲子園大会は5日目が行われ、市立船橋(千葉)が明豊(大分)に2-6で敗れ、3年ぶりの初戦突破はならなかった。プロ注目の3番捕手で主将の花嶋大和選手(3年)は2安打と気を吐いたが、3回の守備での悪送球が失点に繋がり、「最後の試合で迷惑をかけて申し訳ない」と涙を見せた。今後の進路については「高いレベルで野球をやりたい」と話した。
魂のヘッドスライディング
千葉大会決勝で顔面に死球を受け、10針を縫う大怪我を負っていた花嶋大和選手だが「怖いなんて言っていたら甲子園で戦えない」と強行出場し、この日は2安打を放った。「自分のスイングをできたことは素直にうれしかった」と話した。しかし、3回の守備での一塁への悪送球となり失点に絡んだ他、二塁への送球でも投手に当ててしまうなど、送球が安定しなかった。「自分のミスから始まってメンバーに申し訳ない。チームに迷惑をかけ続けた3年間でした」と、主将として責任を背負った。
花嶋選手の送球についてはチーム内でも共有している。後ろからぶつけられた諸岡杜和投手(2年)も、当てられても平然としており、チーム全体が花嶋選手をカバーしている印象を受ける。その理由は、高校通算24本塁打の打撃があるからでも、主将だからというわけでもない。
千葉大会決勝では顔面への死球を受けたあとも、顔にテープを張りながら出場、最初は声を出せないとアクションをしていたが、試合が進むに連れ、怪我を忘れて大声を出していた。そしてこの日も5点を追う6回、花嶋選手はサードへのゴロにファーストへヘッドスライディングして内野安打にすると、8回には四球を選び2点目につなげるなど戦う姿を見せた。
そして試合後には「応援のおかげで、ここまで来られた」と話し、満員となった応援団への感謝の気持ちを述べた。
元力士の異色スラッガー、夢はプロ野球選手
5歳から小学3年生までは、「野球に生かすために」と相撲を習っていた異色の経歴を持つ。家では毎日四股を踏むのが日課で、国技館で開催された「白鵬杯」で3勝した経験もあるという。そのどっしりとした下半身から、高校通算24本塁打を誇る長打力を生み出してきた。
小学3年で野球を始め、その楽しさに魅了され、夢はプロ野球選手になった。今後の進路については、「高いレベルで野球をやりたいので、そこに向けて海上先生に相談してしっかりやっていきたいです」と話す。現時点では、送球の課題がある以上、捕手としてプロ入りするというのは、なかなか難しいと思われるが、この日、一度二塁で盗塁を刺した送球を見ると、将来的な捕手としての素質は十分持っていると思う。
課題もあるが持っている素質と人間的な何かは十分感じさせる。進路の判断が注目される。
花嶋大和選手 プロフィール
- 氏名:花嶋 大和(はなしま やまと)
- 所属:市立船橋高校(3年)
- ポジション:捕手
- 投打:右投
- 主な特徴や実績:高校通算24本塁打を誇るプロ注目捕手。2025年夏の甲子園1回戦で2安打を放つも、チームは敗退。5歳から小3まで相撲の経験があり、「白鵬杯」で3勝した経歴を持つ。千葉大会決勝で顔面に死球を受け10針を縫うも、甲子園に強行出場した。






コメント