第56回明治神宮野球大会は17日、高校の部準決勝が行われ、九州国際大付(九州・福岡)が花巻東(東北・岩手)に8-7で競り勝ち、初の決勝進出を果たした。来秋ドラフト1位候補の牟禮翔外野手(2年)が注目を集める中、この日は伏兵が躍動。「9番・二塁」の柴原奈旺芙(なおふみ)選手(2年)が逆転の2点三塁打を含む3打点、「7番・一塁」の上岡煌(こう)選手(2年)が決勝の失策を誘う全力疾走を見せるなど、牟禮だけじゃないチーム力で激戦を制した。
9番・柴原、起死回生の逆転2点三塁打
打線が勝負強さを見せた。2点を追う6回1死二、三塁の好機で打席に立ったのは、9番の柴原奈旺芙選手。花巻東のエース左腕・萬谷投手の内角変化球を捉えると、打球は中堅手の頭上を越える逆転の2点適時三塁打となった。「インコース低めと変化球を打つのは得意。それが来たので打ててよかった」と、この日2安打3打点の伏兵は胸を張った。
バドミントンのシャトル打ちで磨いたという巧みなバットコントロールでチームを牽引。初の決勝進出に「新しい記録をつくれた。決勝も絶対勝つ」と、初優勝へ意気込んだ。
107kgのラッキーボーイ・上岡が攻守に躍動
175cm107kgの巨漢で「チームで一番愛されてる」と評判のラッキーボーイ・上岡煌選手も攻守で存在感を発揮した。7回1死三塁の守備では、相手のスクイズに対し本塁へ好返球し、タッチアウト。ピンチを救った。
さらに7-7で迎えた7回2死一、二塁の場面では、三遊間へ強い打球を放つ。相手遊撃手の失策を誘い、二塁走者が勝ち越しのホームを踏んだ。107kgの巨体を揺らし「『抜けろ!』と全力疾走で、意地でもセーフになってやろうと思いました」と、執念が決勝点をもぎ取った。
白米1食で4~5合、ラーメンの替え玉は5回という規格外の食欲でパワーをつけ、「うまく拾ってヒットにできる能力は高い」と自己分析する器用さも持つ。楠城祐介監督も「体が大きいんですが、すごく器用な選手」と称賛した。
決勝は“国際大付対決”、牟礼も闘志
プロ注目の1番・牟禮翔選手も2安打と活躍し、投打がかみ合っての勝利。決勝の相手は、同じく強力打線を誇る神戸国際大付(近畿・兵庫)に決まった。牟礼選手は「どっちの“国際”が強いか全国に見せつけたい」と、初の日本一をかけた“国際大付対決”へ闘志を燃やした。
柴原 奈旺芙 プロフィール
- 氏名:柴原 奈旺芙(しばはら なおふみ)
- 所属:九州国際大学付属高校 2年
- ポジション:内野手
- 主な特徴や実績:2026年ドラフト候補。「9番・二塁」で出場した神宮大会準決勝で、逆転の2点適時三塁打を含む2安打3打点の活躍。
上岡 煌 プロフィール
- 氏名:上岡 煌(かみおか こう)
- 所属:九州国際大学付属高校 2年
- ポジション:内野手
- 投打:右投(記事外情報)
- 身長・体重:175cm・107kg
- 主な特徴や実績:2026年ドラフト候補。107kgの巨漢ながら器用な打撃と愛されるキャラクターが持ち味。神宮大会準決勝で決勝点を呼ぶ内野ゴロを放った。














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