今春の選抜甲子園でベスト4に進出した健大高崎高校(群馬)のグラウンドで7日に、3年生のお別れ試合が行われた。千葉ロッテマリーンズからドラフト1位指名を受けた石垣元気投手(18)と、オリックス・バファローズから3位指名を受けた佐藤龍月投手(18)の左右の2枚看板も参加。石垣投手は投打にわたる活躍で有終の美を飾り、佐藤投手はベンチから仲間を見守り、それぞれの思いを胸に高校野球生活に幕を下ろした。
ロッテ1位・石垣、勝ち越し打&150キロK締め
高校最後のマウンド、そして打席でも、世代屈指の才能が輝いた。同点で迎えた3回2死二塁、打席に立った石垣元気投手は「なんとなく打てる気がしていた」と、詰まりながらも持ち前のパワーで左前へ運び、勝ち越し適時打をマークした。
見せ場はマウンドでも待っていた。7回に抑えとして登板すると、1週間ボールに触れていなかったという調整不足を感じさせない投球を披露。最速150キロを計測し、最後の打者は148キロの直球で空振り三振に仕留めた。「最初も最後もこのマウンドだった。寂しい気持ちです」。慣れ親しんだマウンドでのラストピッチングを感慨深げに振り返った。
オリックス3位・佐藤、困難乗り越え「また肩を並べて」
一方、在学中に左肘のトミー・ジョン手術を受けるなど怪我と戦い抜いた佐藤龍月投手は、この日出場機会こそなかったものの、ベンチから笑顔で試合を盛り上げた。「自分は試合に出ることはできなかったんですけど、みんなの最後のユニホーム姿が見れたんで楽しかったです」と、仲間との時間を噛み締めた。
卒業後は別々の球団でプロの世界へ挑む。「普通の高校生じゃ経験できないような経験をさせてもらった。その経験を糧に、また石垣と肩を並べて投げられるように頑張りたい」。苦楽を共にした盟友との、プロのマウンドでの再会と投げ合いを熱望した。
小学生へ夢のバトン、スターとしての自覚
試合前の午前中には、地元の小学生約150人を対象とした野球教室にも参加した石垣投手。「小さい子供たちに憧れられるような選手になりたい」と、プロ野球選手としての自覚を新たにした。
「相手に絶望を与える投手」を目指す剛腕・石垣と、不屈の精神を持つ天才左腕・佐藤。甲子園全国制覇に導いた健大高崎が誇る二人のスターが、それぞれの道で輝きを放つ。
石垣元気 プロフィール
- 氏名: 石垣 元気(いしがき・げんき)
- 所属: 健康福祉大高崎高校(18歳)
- 進路: 千葉ロッテマリーンズ(ドラフト1位)
- 出身: 北海道登別市
- ポジション: 投手
- 投打: 右投両打
- 身長・体重: 180cm、78kg
- 主な特徴や実績: 最速158キロを誇る世代No.1右腕。2年春のセンバツ優勝に貢献。お別れ試合では最速150キロを記録。
佐藤龍月 プロフィール
- 氏名: 佐藤 龍月(さとう・りゅうが)
- 所属: 健康福祉大高崎高校(18歳)
- 進路: オリックス・バファローズ(ドラフト3位)
- 出身: 神奈川県川崎市
- ポジション: 投手
- 投打: 左投左打
- 身長・体重: 173cm、70kg
- 主な特徴や実績: キレのある直球とスライダーを操る「ドクターK」。2年春センバツ優勝の立役者。怪我を乗り越えプロ入りを掴んだ。









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