今夏の甲子園に出場した仙台育英高校(宮城)の主力2選手の進路が明らかになった。侍ジャパンU18代表候補にも選ばれた大型捕手・川尻結大選手(3年)は東京六大学野球連盟の早稲田大学へ、主将としてチームを甲子園に導いた佐々木義恭外野手(3年)は東都大学野球連盟の駒澤大学へ進学す、東京のライバルリーグに分かれ、4年後のドラフト1位指名を目指して新たな挑戦をスタートさせる。
川尻結大、プロ届出さず早大へ「やるべきことがまだある」
今秋のドラフト候補にも挙がっていた川尻結大選手だが、プロ志望届は提出しなかった。「プロ入りの可能性と、成長曲線を考えたときに大学でやるべきことがまだある」。冷静な自己分析の末に選んだのは、楽天・伊藤樹投手ら多くの先輩が活躍する早稲田大学だった。「偉大な先輩たちも活躍していた場所で、日本一を目指したい」と、名門での成長を誓う。
中学時代は内気な性格だったが、高校入学後に明るいチームメートに触発されて開花。今では笑顔がトレードマークのムードメーカーとなった。「自分が内気だったからこそ、そういう性格の子の気持ちもわかる」。仙台育英に入部して1年の6月に内野手から捕手に転向し、投手に寄り添う捕手として、豊富な投手陣をリードしてきた。大学でも捕手として信頼を勝ち取り、「支えてくれる人の分まで頑張らないといけない」と、これまで支えてくれた家族への感謝を胸に、4年後のプロ入りという恩返しを目指す。
主将・佐々木義恭は「鬼の安定感」求めて戦国東都へ
一方、主将として仙台育英という名門を率いた佐々木義恭選手が進むのは、「戦国東都」の異名を持つ東都大学リーグの駒澤大学だ。「入れ替え戦もありますし、安定した結果を示すのは難しいこと。挑戦という意味でも進学を決めました」と、厳しい環境であえて自分を磨く道を選んだ。
主将として過ごした1年は苦悩の連続だった。「チーム力が高く、思いやりにあふれたチームをつくりたい」と主将になったものの、2022年の夏に全国制覇、2023年には準優勝という高校で、「自分たちのやっていることが正しいのか」。不安に押しつぶされそうな日々だった。しかし、須江航監督の助言である「心臓をつかんで話をする」を実践し、チームメイトと心から話し合い、2024年には出場できなかった甲子園に、最後の夏に出場を果たした。
「キャプテンをやっていなければ全く違う自分になっていた」。その経験は、将来の夢である「中学校教師」への道にもつながっている。「須江先生のような先生になりたい」。指導者という夢を持つ。しかし、まずは駒澤大で主将になって戦国東都を制し、更に人間力を磨いて夢へと進みたい。
強肩で足もあり、長打力も打てる選手で、個人的には佐々木選手も4年後のドラフト候補として注目したい。
川尻結大 プロフィール
- 氏名: 川尻 結大(かわじり・ゆいと)
- 所属: 仙台育英高校(3年)
- 進路: 早稲田大学(東京六大学野球連盟)
- 出身: 愛知県名古屋市(愛知名港ボーイズ卒)
- ポジション: 捕手
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 172cm、84kg
- 主な特徴や実績: 1年秋からベンチ入りした強打の捕手。U-18日本代表候補。明るいキャラクターとリーダーシップで投手を支える。
佐々木義恭 プロフィール
- 氏名: 佐々木 義恭(ささき・よしたか)
- 所属: 仙台育英高校(3年)
- 進路: 駒澤大学(東都大学野球連盟)
- 出身: 秋田県(秋田北リトルシニア卒)
- ポジション: 外野手
- 投打: 右投左打
- 身長・体重: 174cm、79kg
- 主な特徴や実績: 仙台育英の主将としてチームを牽引。2年春からスタメン定着。高い人間力とリーダーシップを誇り、将来は指導者も志す。







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