3月19日に開幕する第98回選抜高校野球大会に出場する大阪桐蔭(大阪)が8日、兵庫県内で関西学院との練習試合を行い、本番さながらの熱戦を繰り広げた。この試合では、西武の主砲として知られる「おかわり君」こと中村剛也選手の長男、中村勇斗選手(2年)が5番・三塁でスタメン出場し、勝負所での適時二塁打を含む活躍を見せてレギュラー奪取へ向けて強烈なインパクトを残した。
2死満塁から意地の一打、勝負強さで見せた父譲りの打撃センス
試合が動いたのは5回、2死一、二塁の好機だった。中村勇斗選手は追い込まれてからの3球目、甘く入った球を力強く振り抜いた。放たれた打球は綺麗な放物線を描き、左中間を破る2点適時二塁打となった。一時勝ち越しとなる貴重な一打に、中村選手は「ツーアウトだったのでここで1本出したいなと思っていた。チャンスで回ってきて1本出たのは良かった(日刊スポーツ)。」と、安堵の表情を見せた。
中村選手は昨秋、背番号14を背負ってベンチ入りしていたが、完全なレギュラー定着には至っていなかった。しかし、冬の厳しい練習を経て着実に力を蓄え、この日のアピールに繋げた。指揮を執る西谷浩一監督も、その成長ぶりに「順調に来ていると思います(日刊スポーツ)。」と目を細め、本番での起用を示唆した。
センバツから導入されるDHでの出場と見ていたが、父・中村剛也選手を彷彿とさせる、柔らかいスイングと長打力と守備で、三塁手のレギュラーとして出場する可能性がある。。
偉大な父・中村剛也選手が立てなかった甲子園の舞台へ
中村選手にとって、甲子園は特別な場所だ。父の中村剛也選手は、大阪桐蔭で高校通算83本塁打を放っているが、当時は今のような強豪になる前の過程だった大阪桐蔭で、甲子園の土を踏むことは叶わなかった。自宅から徒歩5分という立地条件で大阪桐蔭に進学をした経緯もある。プロ通算450本塁打以上を誇る稀代のホームランアーチストでさえ届かなかった聖地の打席。中村勇斗選手はその父が果たせなかった夢を、自分自身の力で掴もうとしている。
「秋にメンバーに入って、まずは甲子園に出ようと思ってやってきて、甲子園が出られると決まって、もっと頑張っていかないとなと思いました(日刊スポーツ)。」と決意を語る中村選手。父からのアドバイスについては多くを語らないが、その背中を追いつつも「自分自身の野球」を確立しようとする姿勢が印象的だ。単なる「二世選手」としての注目に甘んじることなく、自らのバットで道を切り拓く覚悟が見える。
激化する大阪桐蔭のレギュラー争い、DH制導入も追い風に
大阪桐蔭において、レギュラーの座は常に激しい競争の中にある。この日の試合では、中村勇斗選手以外にも野手陣の活発な動きが目立った。「4番・右翼」で出場した谷渕瑛仁選手(3年)は3安打を放ち、不動の主軸としての格を見せつけた。またこの日、DHで起用された小吹玲央選手が2安打を記録し、西谷監督が「今、レギュラー争いをしているところ。勝つために、みんなが全力でやってくれている(スポーツニッポン)。」と、誰がスタメンに名を連ねてもおかしくない層の厚さを見せている。
中村選手も、中盤以降の打席で凡退したことに、「接戦の中で1本出ないのは自分の弱さだと思いますし、接戦の中で1本出せるかが大事。もっとやっていかないといけない(日刊スポーツ)。」と話し、レギュラー争いに隙を見せた反省をした。チャンスで回ってくる「5番」という打順を任されている以上、一本出ただけで満足することはない。父・剛也選手のように、チームが苦しい時にこそ一振りで試合を決める。そんな打者になるための挑戦は、まだ始まったばかりだ。
【中村 勇斗】 プロフィール
- 氏名: 中村勇斗(なかむら・はやと)
- 所属: 大阪桐蔭高校(2年・新3年)
- 出身: 大阪府
- ポジション: 三塁手(内野手)
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 177cm、83kg
- 主な特徴や実績: 西武・中村剛也選手の長男。父譲りのパンチ力と勝負強さを備える右の強打者。昨秋は背番号14でベンチ入り。三塁手としてのレギュラー獲得を目指し、練習試合で結果を残している。














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