【センバツ】昨春王者・横浜の織田翔希投手が初戦で散る、史上4校目の春連覇ならずも中日スカウト「高校生では抜けている」

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第98回選抜高校野球大会第2日の第2試合で、史上初となる2度目の「春連覇」を狙った名門・横浜(神奈川)が、神村学園(鹿児島)の前に0-2と完封負けを喫し、初戦で姿を消した。今秋のドラフト1位候補筆頭である最速154キロ右腕、織田翔希投手(3年)がマウンドに上がり、8回途中まで粘り強い投球を見せて150キロを計測するなど意地を見せたが、打線の援護もなく無念の降板。前日の沖縄尚学・末吉良丞投手に続き、世代屈指の好投手がまた一人、早々と聖地を去ることとなった。

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3回の2失点に泣く。「甲子園という舞台で自分が変わってしまった」

試合終了の瞬間、一塁側アルプス席を見つめる織田翔希投手の目は潤んでいた。自身の役割を「チームを勢いづけること」と定義してマウンドに立ったが、それができなかった悔しさだった。0-0で迎えた3回、1死二塁の場面で神村学園の2番・田中翔大選手に投じたチェンジアップが甘く入り、右中間への適時二塁打を許して先制を献上。さらに犠飛で追加点を奪われ、この2点が最後まで重くのしかかった。

織田投手は「甲子園の初戦は難しいと経験から分かっていたが、自分の役割を全く果たせなかった。エンジンがかかるのが遅すぎました(中日スポーツ)」と唇を噛んだ。冬の間、セットポジションの修正など技術向上に励んできたが、大舞台のプレッシャーからか序盤は直球、変化球ともに高めに浮く場面が目立った。「甲子園という舞台で自分が変わってしまった。いつも通りのピッチングができなかった(サンケイスポーツ)」という言葉には、エースとして伝統校の看板を背負い、連覇を目指した者だけが感じる聖地の重圧を表していた。

修正能力と150キロの意地。敗戦のなかで見せたエースの資質

苦しい立ち上がりとなった織田投手だったが、中盤からは本来の姿を取り戻した。4回以降は直球主体の力押しにスタイルを切り替え、5回にはこの日最速となる150キロをマーク。神村学園の強力打線を相手に追加点を許さず、8回途中まで109球を投げ抜く粘りを見せた。マウンドを降りる際、後を託した小林鉄三郎投手(2年)に思いを託したが、チームの反撃は及ばず。横浜にとってセンバツでの初戦完封負けは1974年以来、実に52年ぶりの屈辱となった。

指揮を執る村田浩明監督(39)は、厳しい言葉でエースを鼓舞した。「どんな状態でもチームを勝たせる投手になるには、まだ足りないところがある(中日スポーツ)」。それは、織田投手のポテンシャルを誰よりも信じているからこその言葉だ。前日の沖縄尚学、そしてこの日の横浜と、前年の春夏優勝校がともに初戦で敗退するのは1948年以来78年ぶりの珍事。甲子園では個人の力だけでは勝てないという現実を、織田投手は最も残酷な形で突きつけられた。

中日・永野チーフスカウト「高校生では抜けている」、プロの評価は揺るぎなし

初戦敗退という結果に終わったが、ネット裏で見守ったスカウト陣の評価が下がることはなかった。むしろ、苦しい展開のなかでギアを上げ、修正してみせた能力に注目が集まった。地元球団を含め、12球団が熱視線を送るなか、中日のスカウト陣はあらためてその素材の良さを強調した。

中日・永野吉成アマスカウトチーフ:「高校生では抜けている。球そのものは悪くない。修正して、途中でギアも上げた」

敗戦投手となったとはいえ、183センチのしなやかな体躯から放たれるボールの質と、マウンドでの立ち振る舞いは、今秋のドラフト会議において依然として「目玉」であることを証明した。154キロを誇る直球だけでなく、勝負どころでの集中力や、敗戦後に「負けに不思議の負けなし。立ち上がりの弱さを潰していかなければならない(スポーツ報知)」と冷静に自己分析する精神面は、プロの世界でも高く評価されるポイントだ。

「野球の借りは野球でしか返せない」夏へのリベンジを誓う聖地

昨春は背番号10として優勝の原動力となったが、エースとして臨んだ今大会は、一勝の重みを痛感する結果となった。史上4校目の春連覇という夢は潰えたが、織田投手にとってむしろ、この敗戦こそがスタートになる。

「たくさんの方たちのおかげで甲子園に立てている。勝って恩返しするのが一番(デイリースポーツ)」と語る織田投手。「夏に向けて、今日出た課題をすべて潰していきたい(中日スポーツ)」という決意を胸に、織田翔希の逆襲の物語は、神奈川の激戦区から再び始まろうとしている。一回り大きく成長し、再び聖地のマウンドに立つその時、彼は真のエースとして仁王立ちしているはずだ。

【織田 翔希】 プロフィール

  • 氏名: 織田翔希(おだ・しょうき)
  • 所属: 横浜高校(3年)
  • 出身: 福岡県(糸島ボーイズ出身)
  • ポジション: 投手
  • 投打: 右投右打
  • 身長・体重: 183cm、82kg
  • 主な特徴や実績: 自己最速154キロを誇る、2026年ドラフト1位候補。昨春のセンバツ優勝メンバー。180センチを超える長身から放たれるキレのある直球とスライダーが武器。今大会初戦の神村学園戦で150キロをマークするも2失点で敗退。敗戦を糧に夏のエースナンバーでの帰還を目指す。
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この記事を書いた人
yuki

 1996年よりドラフト会議ホームページを解説し、30年間に渡ってドラフト候補選手の分析や12球団のドラフト会議の指名を分析してきました。
 雑誌「野球太郎(http://makyu.yakyutaro.jp/)」にも執筆。
 2008年からはドラフト会議に関する情報を毎日投稿しており、2024年時点で23,000以上の記事書いています。
 また、ドラフト候補の動画とみんなの評価サイト(player.draft-kaigi.jp)では、みなさまがおすすめするドラフト候補選手が、これまでに3万5千人以上登録されておりその評価も行っています。

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