阪神甲子園球場で行われた第98回選抜高校野球大会第3日の第2試合。13年ぶりの春1勝を目指した北照(北海道)は、専大松戸(千葉)のエース・門倉昂大投手の前に打線が4安打に封じられ、0-4で完封負けを喫した。北照の先発は昨秋の全道大会全4試合を完投した絶対的エース、島田爽介投手(3年)だったが、4回の一挙4失点以外は相手打線を完璧に抑え込む123球完投で涙を飲んだ。最速149キロを誇るプロ注目の中谷嘉希投手(3年)は登板の機会が無く、夏への思いを語った。
魔の4回、一瞬の隙となった甘いチェンジアップ
「4回に4点というビッグイニングを作ってしまったので、とても悔しい(日刊スポーツ)。」試合後、島田爽介投手は、その1イニングを思い起こした。3回までは走者を出しながらも粘り強く抑え、持ち前の打たせて取る投球が冴えていた。しかし、0-0で迎えた4回1死。安打と四球でピンチを広げると、専大松戸打線に「変化球」を狙われた。
2本の適時打は、いずれもカウントを取りにいった甘いチェンジアップを完璧に捉えられたものだった。「変化球を狙ってきているなというのは察していたが、なかなか素直になれなくて(日刊スポーツ)」と島田投手。感覚を信じることができなかったところを痛打された。5回以降は低めの直球を主体に切り替えて無失点に抑え、自己最速タイの139キロを計測するなど立て直した。上林弘樹監督(46)は「よく頑張ったとは思う(スポーツニッポン)」と背番号1をねぎらったが、エース本人は「みんなには申し訳ない気持ちでいっぱい」と、自らの右腕で勝利を届けられなかった無念を噛み締めていた。
今大会から採用された指名打者(DH)制により、島田投手は初めて「投球だけに集中する」公式戦を経験した。「打席に立たないので、ピッチングに専念できる(日刊スポーツ)」と、集中力は研ぎ澄まされていた。しかし、対峙した専大松戸の門倉昂大投手は、ひと冬越えて145キロまで球速を伸ばし、北照打線を力で圧倒。島田投手は「自分も140キロ後半は投げて、変化球の精度を良くしないと全国では勝てないと気付いた(日刊スポーツ)」と、球速アップの必要性を痛感していた。
149キロ右腕・中谷嘉希投手は登板無く
北照にはもう1人、今秋のドラフト候補に名前が挙がる投手がいる。背番号11を付けた中谷嘉希投手の登板も期待された。この冬に体重を秋の83キロから90キロへと一気に7キロ増加させた183センチの大型右腕は、大会前の練習試合でも自己最速タイの149キロをマークしており、聖地での「150キロ到達」への期待も高まっていた。
この日もブルペンで30球〜40球程度を投げ、登板の機会を待っていた。「いつでも行けるようにと言われていた:と話す。しかし中谷投手の名前が呼ばれることはなかった。島田投手が4失点をしたあとは非常に安定しており、上林監督は「島田の調子が良かった(日刊スポーツ)」と完投させた。昨秋も島田投手が完投を続け、中谷投手の登板は僅かだった。
中谷投手は「マウンドに立ちたかった気持ちもあったが、夏までに信頼される投手になって戻りたい」と話す。春の大会では中谷投手が主戦となり、島田投手が140キロ台を投げるようになっていれば、2枚看板として背番号1をかけた最終対決となる。この日からその戦いがスタートした。夏に背番号1をつけるのは?
【島田 爽介】 プロフィール
- 氏名: 島田爽介(しまだ・そうすけ)
- 所属: 北照高校(3年)
- 出身: 北海道
- ポジション: 投手
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 178cm、78kg
- 主な特徴や実績: 昨秋の全道大会全4試合を完投し、チームをセンバツへと導いた北照の絶対的エース。驚異のスタミナと、巧みな投球術で打たせて取るスタイルが持ち味。選抜1回戦の専大松戸戦では123球で4失点完投。自己最速139キロ。
【中谷 嘉希】 プロフィール
- 氏名: 中谷嘉希(なかたに・よしき)
- 所属: 北照高校(3年)
- 出身: 北海道
- ポジション: 投手
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 183cm、90kg
- 主な特徴や実績: 最速149キロを誇るプロ注目右腕。この冬、肉体改造で体重を7kg増やし、183cm90kgの屈強な体躯を手に入れた。選抜では登板機会がなかったものの、その潜在能力の高さは全国屈指。夏の大台150キロ到達を目指す。











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